イギリスの制作会社と共同制作し、今後も海外を舞台に各国の在宅探偵を主人公にした続編も計画されているドラマ「名探偵ステイホームズ」(4月3日[日]・10日[日]2週連続夜10:30-11:25、日本テレビ系)。第1弾となる日本版の主人公で、子供部屋から一歩も出ずにネットを駆使して事件を解決していく相田アタルを演じる北村匠海にインタビューを実施した。
「まずスケール感に驚きました。日本からイギリスへバトンが渡っていくのはすごく面白いです。アタルはパソコンの前にいることが大半ですが、音楽に合わせてキーボードをたたいたりと、海外の作品っぽい演出が多いのもならでは。繊細な芝居をしつつ、キャラクターを意識して演じるのは楽しかったです」
アタルは実家の子供部屋に住み続けるいわゆる″子供部屋おじさん”。ほぼ家から出ずに捜査をする。
「アタルは基本、人とは対面せずに、パソコンの画面やドア越しで話をします。なので演技をしていても相手と目や呼吸を合わせることがなく、どこか目をつぶって芝居しているようなところがあり不思議な感覚でした。そしてワンカットで撮影することが多く、どこか舞台的なところもあって…。たとえミスがあっても、チームで支え合いながら乗り切って、完成したときの達成感はかなり大きかったです」
人並み外れた検索能力の持ち主であるアタルは、大好きな声優がSNSに上げた写真の違和感に気付く。
「応援していた人のプライベートを暴いて傷ついているのにどこか気持ちいいといった、僕の知らない世界を見ているような感覚はありました。見たくないものを自ら探して、みんなの前にさらしていく…。やらなくていいことですから(笑)。ただ好きな人を追っかけたい気持ちは少し分かります。僕も竹原ピストルさんやその年代のシンガー・ソングライターの方々を追っかけていた経験があります。アタルなりの正義や、事実から目を背けない姿は、愛らしいと感じました」
探偵を演じるのは初という北村。探偵の素質はあるのだろうか。
「ないですね(笑)。脱出ゲームとかも全然できないんです。まずひらめき力がなくて…。ただ何か気になることがあったらそれに没頭する集中力はあるので、うまいこと事件と自分の興味が重なったら解決できるかも。でもそんな探偵、雇わないか(笑)。あとひらめき力はないけど、人の感情が読め過ぎる部分はあります。ささいな変化に違和感を見つけられるというか。それが分かり過ぎて困ることも多いですが、探偵になるなら意外と持っておきたい能力かも。そしてアタルには絶対ないですから。これまでの探偵とはまた違った人物像のアタルの日常を楽しむドラマになっています。かなり不思議な、コメディー要素の強いミステリーですが、ぜひ楽しんでください」
取材・文=玉置晴子