爆笑問題の太田光は、3月25日よりディズニープラスで独占配信されている映画「アイス・エイジ バックの大冒険」で、メインキャラクターであるナマケモノ「シド」の日本語版声優を務めている。太田は、2002年の「アイス・エイジ」第一作目から足掛け20年、シド役を担当しており、「元々声の仕事が好きだったのですごくうれしかった」と振り返る。自身もアニメ好きで、「鬼滅の刃」や「東京リベンジャーズ」などといった最近のアニメも視聴している太田。「俺らが子どもの頃に見ていたアニメよりも話も複雑になっていて、哲学的なメッセージまでアニメの中で描いている。意義があるし文学的な価値も高い」と評し、「いわゆるただの“正義と悪”だけでは語れないと感じることができるのはすごい」と語った。
――「アイス・エイジ」の声優を太田さんは足掛け20年務めています。2002年に、初めて「アイス・エイジ」の第一作目の声優が決まった時はどんな心境だったんでしょうか。
元々声の仕事が好きだったので、アニメでも何でも声優の仕事をすごくやりたいとずっと思っていたんです。田中が先に「モンスターズ・インク」の声優に決まっていいな~と思っていたら、ちょうど同じタイミングで決まったのですごく嬉しかったですね。
――もともと声優の仕事をやりたかったんですね。
ラジオでメール読んだりするのも好きなんですよね。ああいう“声だけで表現する”というのが、もともと好きで。
――あと太田さんは、ラジオで「小学校のときに声色変えて朗読したら、笑いが起きて嬉しかった」という思い出を話してましたね。
そうそう。そのときから好きだったのかもしれないよね。あとは亡くなった母親が、本読んでくれて寝かしつけてくれたというのもあるし、とにかくラジオドラマとかもよく聴いていて大好きだったんですよ。だから、そういういろんなことからの影響があるんじゃないですかね。
――漫才も“声を出す”という意味では同じですが、声優と漫才とで、通じる部分はあるのでしょうか。
もちろんありますね。「ここはこういうテンションで言ったたほうが面白い」とか、「ここはちょっと声をつぶして言った方が良い」とか、通じるところはあります。
――太田さんはシド役を足掛け20年もやっています。同じ役の声優をここまで長期間務めることはなかなかないことだと思いますが、いかがですか。
シドも20年、年をとってるってことだよね(笑)、シドが「ウワーッ」って跳んだり跳ねたりするのはやっぱり楽しい。その都度懐かしい気持ちになるし、何か友達に会ったみたいな感じがします。何年かに一回、アフレコ現場に行って映像を見ると、最初の頃と比べてどんどん絵がすごくなっているし、CGの技術もここまで進化したのかと感じます。
――シド役を演じていて、周囲の反響はいかがでしょうか。
いや、みんな見てないんだよね(笑)。もうちょっと見られても良い作品だと思うんだけど、なんだろうね。アメリカじゃヒットしてるんだけど。ちょっと日本人の感覚と違うのかな。本来、こういうドタバタのスラップスティックというのは、バスター・キートンとかハロルド・ロイドがやってたような、言ってみればコメディーの基本なんですよ。だから演じていても楽しいんだけどね。
――田中さんも長らく「モンスターズ・インク」の声優を務めていました。
僕はもともとピクサーの作品を見て、「これはすごい。これからこのピクサーという会社はどんどんすごくなる。世界一面白い映画を作っているのはピクサーだ」と言っていたんですよ。見てたのは俺が先なのに、田中にオファー来たから「なんて見る目がないんだ」って思いましたよね(笑)。だから俺は「モンスターズ・インク」を吹き替えでは見ません(笑)。