風間:今はAIで人間と同レベルの知能を作ることもできると思いますが、「じゃあ本来の人間とAIの違いはなんなんだろう?」といったことを、科学の面からも人としての倫理の面からも語っているような最終話で、科学の究極を突き詰めた話になっているのではないかと思います。ぜひ楽しんでいただきたいです。
斉藤:私は、やはりコロナの影響による緊張感がいまだに忘れられませんね。誰かがもしコロナにかかったら撮影は進まないし、現場でもプロデューサーが巻き尺で役者と役者の間の距離を測ったりしていて、あの緊張感と景色はとても記憶に残っています。
役者同士が近寄ってはいけなかったり、普段どおりにできないというもどかしさやプレッシャーをよくぞ乗り切ったと。最後までやり遂げたということがものすごくうれしいです。
また、これだけ長い間やってきて、脚本家が本当にバラエティー豊かな題材を考えて、これだけ面白い物語を作ってくださっていることが何よりとてもすてきなことだと思います。そんな作品に関われたということが、私の役者人生の中で大きな財産になりました。
渡部:僕の中では、「season 21」は一番濃いシーズンになりました。第16話で、僕が演じる呂太の回を描いていただいたこともそうですし、斉藤さんがおっしゃったように、コロナ禍で撮影をしていくということで、いろいろと気を付けなくてはいけないこともありました。
世界中が逼迫(ひっぱく)している中で、ウイルスというテーマに切り込んでいったり、AIという最新科学をテーマにしたりと、今の世の中に通じる問題にこの作品を通して直面させていただいたということが、とても貴重なシーズンだったなと思います。
「科捜研の女」シリーズはずっと進化し続けていると思うのですが、恐らく、それに比例して犯罪もどんどん高度になっていると思うんですよね。その集大成が、今回の最終話で描かれるAIなのかなというふうに思います。
山本:「season 21」を終えての率直な感想は、「終わってしまった~!!」という感じです。その一言に尽きます。
石井:全く同じですね。「終わってしまった」と。また、「season 21」を通してより関係が深まったと感じています。最終話でいうと、いつも強気なマリコさんがちょっと弱気になってしまうシーンがあって、そんなとき、いつもマリコさんに引っ張ってもらっていた周りの人間はどう行動するのか、ということを考えた回でした。その結果、一人一人の思いが明確になって、結束がまた強くなった「season 21」だったんじゃないかなと思います。
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