――2人が演じる役は血縁関係となりますが、似ている部分はありますか?
迫田:義仲は、やっぱり荒くれものという印象があります。
青木:今回はちょっとそれだけじゃないと思いますけどね。1000年近く前の人間で、ただの荒くれものが地元の方にそんなに支え続けられるだろうか。相当な策略をもって、深い人間性があってこそ、後世に名前が語り継がれているのではと、僕は解釈しています。
迫田:範頼については、やっぱり兄弟を見て分かるように、出来る男だったと思っています。
――実在した人物を演じる歴史劇への思いを教えてください。
青木:実在した人物を演じるのは恐れ多い気持ちではあるし、守られている、見られているような気がするのでしっかり向き合わないといけないと思います。ただあくまで「大河ドラマ」なので、描かれるのはストーリーにあったキャラクターであるべきだと。実在の人物に敬意を持ちつつ、史実とは違う部分もあるかもしれませんが、人間性や魂を感じて演じることを心がけています。そのためにお墓参りなどにも行かせてもらっています。
迫田:「西郷どん」(2018年、NHK総合ほか)で共演していた時、役者・青木崇高に接していたのですが、この男の面白いところは、やっぱり予想できないところです。こちらが台本からイメ―ジしていたところとは違う芝居・言い回しを考えてくる。実際に生きていた方への敬意を持ちながらも、自分の中で消化して自分の芝居に変えていくのを見ているのが、とても楽しかったです。
――なぎなたなど、殺陣シーンの稽古はいかがでしたか?
青木:過去にアクションをやったことがあるので、動きを確認しながら取り組んでいました。本番になると感情が伴うので、テストの時より大きくガッと切りかかってしまうんです。巴御前役の秋元才加さんも結構グワッときたので、それを軽くかわす形でやっていたのですが、内心ビクビクでした。
迫田:木曽義仲について、そういった長い棒を振り回すというイメージが崇くん(青木)もあったと思うけど、その後の戦のシーンについても色々演技を考えていたよね?
青木:そうですね。色んな合戦がある中で“色”が出たほうがいいと思っています。木曽義仲にとって馬は大切なアイテムだと思うので、馬との距離感とかそういったものを大切にしなきゃ、とは思っていました。
――馬乗りについてはいかがでしたか?
青木:去年の秋ごろからよく稽古のため馬乗りに行っていましたね。
迫田:これ言わせてもらっていいですか? 多分、崇くん僕のこと大好きなんですよ。いつも電話で「迫兄、次いつ馬乗り行きますか? 僕、この日とこの日空いているんで」と聞いてきます。
青木:大好きですから。でも本当によく一緒に行っていました。
迫田:技とか難しいし、とても繊細な操作が必要なんですけど、人がいることでその人の注意されていることが響いたり、自分の間違いを反すうする余裕も生まれるので、人と一緒に行ったほうがいいですね。
青木:自分だけじゃ気付けないところもすごく多かったです。
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