内藤剛志が主演を務めるドラマ「警視庁・捜査一課長」(テレビ朝日系)が今年で10周年を迎え、4月14日からはseason6の放送がスタートする。同作が長く愛される理由として、内藤は「娯楽性の高さ」「変わらない『視聴者の皆さまに楽しんでいただきたい』という思い」を挙げた。また、最近ではバラエティ番組「水曜日のダウンタウン」(TBS系)で「内藤剛志この20年刑事役以外やってない説」が取り上げられるなど、刑事役の多さが話題になる内藤だが、刑事役ばかり演じていることについて「葛藤はまったくない」と明かす。「演じている役柄はすべて違う人」と述べ、演じ分けの極意を語った。
『警視庁・捜査一課長』10周年！愛される理由は「娯楽性の高さ」「視聴者への思い」
――「警視庁・捜査一課長」シリーズが今年で10周年を迎えます。警視庁捜査一課長・大岩純一を演じる内藤さんから見て、同シリーズが長く愛されている理由は何だと思いますか。
大岩純一は理想の上司であり、理想の夫です。僕自身は「こんな人、本当にいるのかな？」という気持ちもありつつ芝居をしているのですが、おそらく視聴者の方たちからは「こういう人がいるといいな」と親しみを持っていただけている気がします。そこが愛される理由の一つではないでしょうか。
それに作品の内容でいうと、「捜査一課長」は、謎解きミステリーでありながら、ポップな要素も含まれています。ポップなシーンで笑ったかと思ったら、浪花節的なエモいシーンで泣いている。そんなふうに、娯楽性が非常に高いドラマだと思います。10年の歴史の中で大小様々なマイナーチェンジがありながら、その根底にある「視聴者の皆さまに楽しんでいただきたい」という思いは変わらない。そういった点も、長く続いた理由なのかもしれません。
真面目とおふざけのバランスは“絶妙”「僕がブレなければふざけたことにはならない」
――今お話しいただいたように、「捜査一課長」は真面目な刑事ドラマでありながら、一方で、一風変わったご遺体が出てきたり、本田博太郎さん演じる笹川刑事部長が面白い恰好で登場したりと小ネタ要素も満載です。この真面目さとおふざけのバランスについてどうお感じですか。
バランスは絶妙だと思います。だけど、大岩はそういった部分に触れたり、ツッコんだりはしません。あくまでも真面目に「たこ焼きを握ったご遺体!?」と言いますよね(笑)。あるいは、本田さんがすごい恰好で登場しても真剣な表情で「ありがとうございます」と言っている。つまり、どんなご遺体が出てこようが、本田さんが何をされようが、僕がブレなければふざけたことにはならないんです。
仮に「お好み焼きを被ったご遺体？(笑)」と僕が笑ってしまえば、視聴者さんと同じ目線で笑うことになってしまうんです。さらにカメラの撮り方も、決して“笑い”として撮らずに、カット割りの妙でいかにも真面目なドラマに仕立てていることも見事だと思います。
――10年続く中で、作品としてどんなマイナーチェンジをされていますか。
やっぱり「今の人」が登場しますよね。たとえば、芸人さんだったり、YouTuberさんだったり。今の空気をまとった人にたくさん出ていただくことで、いい意味で時代に乗っかり、作品自体がアップデートしていっていると感じます。
