公開中の映画「コーダ あいのうた」のアカデミー賞受賞記念舞台あいさつが4月9日に東京都内の劇場で行われ、上白石萌音が登壇。
映画「コーダ あいのうた」
同作品は、2014年に製作されたフランス映画「エール!」のリメークで、4人家族の中で独りだけ耳が聞こえるという設定を引き継ぎながらも、登場人物ひとりひとりの愛と葛藤に深く踏み込み、笑って泣いて家族の誰かに共感できる普遍的な物語へと昇華させたもの。「第94回アカデミー賞」で作品賞、助演男優賞、脚色賞の3部門を受賞した話題作だ。
両親と兄の4人家族の中で一人だけ耳が聞こえる高校生のルビー(エミリア・ジョーンズ)は、幼い頃から家族のために“通訳”となり、家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。
新学期、合唱クラブに入ったルビーの歌の才能に気付いた顧問の先生は、ルビーに都会の名門音楽大学の受験を強く勧める。だが、ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられず大反対する、というストーリー。
「この映画のただのファンです」
舞台あいさつでは、上白石が「この映画のただのファンです」とはにかみながら、「『本当にこの映画に出合えてよかった』って心の底から思っています。たくさんのことを教えてもらいましたし、本当に心を揺さぶられましたし!これから先、何回も見返すだろうと思いますし、実際にもうすでに何回も見ています(笑)。歌がもっと好きになったし、手話を始めたいって思うきっかけになりました。たくさんのものをくれた映画です!」と作品の感想を告白。
また、好きなシーンについて「一番好きだったのは、車の中でルビーがお父さんのために歌を歌うシーンです。あそこは本っ当に好きですね。『娘の歌声が聴きたい』って思って、震える声帯に手を当てて聴くお父さんの顔が本当にすてきで!娘が歌っているうれしさと、それが自分には聞こえない切なさとか、そういうのが全部お顔だけで分かるシーンでしたし、『歌って耳で聴くだけのものじゃないんだな』っていうのをすごく感じたシーンでした」と明かした。
さらに、「ルビーにめちゃくちゃ共感したシーンがありまして!音楽の先生に『歌うとどんな気分になるんだ?』って言われて、ルビーがそれを表現するシーンなのですが、『私もルビーと同じ気持ち!』って思いました。私も歌を歌う時の気持ちって、あまり言葉にできていなかったんですけど、『それ、それ!』って思いながら泣いていました」と語った。