アーティスト、プロデューサー、代表取締役社長など様々な肩書を持つSKY-HIが、エッセイ「晴れるまで踊ろう」を4月15日(金)に発売する。
2020年9月に、「才能を殺さないために」をスローガンにマネジメント&レーベル「BMSG」を設立。1億円以上の出資をして開催したオーディション「THE FIRST」はテレビでも放送され、ボーイズグループ・BE:FIRSTを誕生させるなど“次世代のリーダー”としても注目を集める。
自身が考える現在の立ち位置や、会社設立の背景、アーティストとしての思いなど、様々なエピソードが書かれた著書から、SKY-HIの人物像に迫った。
これから先、何かに迷った時に気持ちを原点に戻すためのセーブポイントのような存在になる気がする
――エッセイ「晴れるまで踊ろう」を発売することになった経緯を教えて下さい。
以前から書籍のお話はいくつか頂いていましたが、伝えたいメッセージは楽曲で表現してきたので、最初はここにきて本を出すという発想はなかったんです。
でも、2020年9月に設立した会社「BMSG」も2年目を迎えて、「ゼロから1」を生み出す時期から、次の“1を100にしていくタイミング”に入ったと思えたので、会社を設立しようと決めた時の気持ちや、過去を振り返って「晴れるまで踊ろう」と思っていた時期のことを今、形にしておきたいと思いました。
この本はこれから先、自分自身が何かに迷った時に、頭を整理をするために役立つだろうし、気持ちを原点に戻すためのセーブポイントのような存在になる気がしています。
――原稿はどのように書き進めていったのでしょうか?
編集&構成という形で、17〜18年の付き合いのあるライターさんに入っていただきました。
もし“コミュニケーションに長けている”と言われたら「だって音楽聴いてるしね!」と言いたい(笑)
――エッセイには、社長としての在り方や、社員との向き合い方についても書かれていますが、昔から言葉やコミュニケーションを大切にするタイプだったのでしょうか?
元を辿ると音楽で形成された部分が大きいんだと思います。小さい頃から、誰にでも当てはまるような一部のありふれたJ-POPの歌詞に違和感を感じていました。自分が中学生になって、プレイヤーとしての意識が芽生えてきた時に、自分にしか書けない言葉を綴りたいと思い始めたことで、より言葉に対して敏感になっていきました。
それと、人間にはいくつもの引き出しがあるはずなのに、他人を表現する時に、勝手に一つの枠に当てはめていく。たとえば「良い人」「悪い人」という表現を挙げても、はっきりと二分出来るものじゃないと思うんです。
僕自身も、AAAとして、ラッパーのSKY-HIとして活動してきたなかで、どちらも本気で取り組んでいたのに、無理やり枠にはめられて痛い思いをすることが多かったので、その経験から、相手を決めつけずに意思疎通をするコミュニケーションというものは意識するようになりましたね。
――音楽から受けた影響が人格形成にもつながっているんですね。
絶対にそうだと思います。音楽とか本といった文化・芸術は、生命維持に必要な衣食住にはかなわないけれど、心に栄養を与えるという意味では絶対に必要なものだと思っています。
音楽以外にも、漫画、映画、絵画に絵本とか色々なものがあって、自分がどういう書籍や映画に惹かれるのか、その好きだと思った部分の積み重ねで人格が形成されていく。だからこそ、その出会いの数や種類が多いほど、人間としてもどんどん豊かになっていくんだと思っています。
僕は、文化・芸術といわれるものの中でも、音楽に強く影響を受けたので、もし“コミュニケーションに長けている”とか“言葉を大切にしている”と、思っていただけるのであれば、「だって音楽聴いてるしね!」と言いたいですね(笑)。