“素の部分”を見せることへの不安も「江頭2:50というブランドが壊れてしまうのではないか」
――「エガちゃんねる」では、江頭さんの素の部分をフィーチャーした動画も数多く見受けられます。これまでテレビでは見せてこなかった江頭さんの人柄を見せることへの不安はありませんでしたか。
「エガちゃんねる」では、A面の“芸人・江頭2:50”を見せたい一方で、B面にあたる素の江頭さんを知ってもらいたいという気持ちがありました。ただ、そのB面を知ってもらうことによって、江頭2:50というブランドが壊れてしまうのではないかという不安も、正直ありましたね。なので、江頭さんご本人とも話し合いを重ねました。
特に江頭さんは「俺の素なんて見せても面白くないよ。誰も見たくないでしょ」と引っかかっていて。でも、僕はプライベートで何度もお会いする中で、江頭さんの素が普通じゃないと知っていたから、「絶対面白くなりますよ。お笑い番組としてちゃんと成立するようにします」と説得しました。そして最終的には、江頭さんが「藤野くんが面白くなると思うんだったらやろう」と言ってくれたんです。
テレビでの活躍機会減少も「しょうがない」江頭のような芸人はもう生まれない
――コンプライアンスが厳しくなったり、スポンサーさんの意向が強くなってきたりと、様々な理由から江頭さんがテレビで活躍する余地がなくなってきているように感じます。その現状についてどう思いますか。
しょうがないのかなと思います。その時代のルールの中で面白いものを探していくしかないんじゃないですかね。なので、もうあんな芸人は生まれないし、テレビでは求められてないんじゃないですか?(笑)。江頭さんご本人はこれまで長い芸歴の中で積み重ねてきたものがあるからこそ、半年や1年に1度、テレビに登場することでインパクトを与えられますけど、また1からそういう芸人さんを作ることは難しい気がします。
90年代~00年代のテレビだったからこそ彼が求められていたわけで、今同じことをやっても…と思うんです。女性タレントを追い掛け回してヒップアタックするみたいなことは、今のコンプライアンス的に全部NGでしょうから(笑)。
――たしかにそうですよね。それでは今後、「エガちゃんねる」で挑戦したいことなどありますか。
そもそも「エガちゃんねる」を始めた背景には「世界の江頭にする」という目標がありました。しかし、スタートしてすぐコロナ禍になってしまい、そういった海外に向けた挑戦ができていないので、状況が落ち着いたら動き出したいと考えています。
――海外に行ってYouTubeの動画撮影をするということでしょうか。
はい。たとえば、かつて江頭さんが全裸パフォーマンスをして罰金刑を受けたトルコに行って、今度は服を着た状態でトルコの人たちを笑わせに行くとか。(ビート)たけしさんがテレビで「江頭がこれを取り返すには、今度は脱がずにトルコで笑わせるしかないな」と言っていたそうで。それもあってか、江頭さんの“死ぬまでにやらなくてはいけないこと”の一つに入っているらしいので、ぜひ実現させたいです。
文=こじへい