“完璧すぎない”ヒーロー像がマーベル作品の魅力のひとつ
――「ドクター・ストレンジ」を含む、マーベル作品の魅力とは何でしょうか?
松下:みんなそれぞれヒーローなんですけど、ヒーローにもいろいろなタイプがいるというところでしょうか。完璧なヒーローもいますけど、どこか抜けていたり、完璧過ぎなかったり、身近に感じられるヒーローが多いなと思います。「こういう人がいてくれたらいいな」というのと、「こういう人いるよね。でもヒーローなんだよね」というヒーローのバランスがいいなって。ここ数年のマーベル作品だと特にそう感じます。もちろん手が届かないようなところにいる人もいますけど、ストレンジをはじめ、そうでないキャラクターもいて。だからこそ、女性から見ても「すてきだな」と思えるんだと思います。
――完全無欠なヒーローだと、「確かにかっこいいよね」で終わってしまうところもありますね。
松下:そうそう。「助けてくれる瞬間にならないと助けてくれないんだろうな」って思っちゃいますよね(笑)。でも、もっと人間らしくて、自分たちのところまで降りてきてくれるヒーローなら感情移入しやすい。“ただただヒーロー”の映画ではないところが、マーベル作品の一番面白いところだと思います。
――今の時代ならではのヒーロー像かもしれませんね。
松下:そうですね。車も持ち上げられるけど(笑)、ちゃんと人の心が分かって、それぞれ悩みを抱えているところが面白さにつながっているんだと思います。
――ちなみに、初心者におすすめのマーベル作品の楽しみ方はありますか?
松下:じゃあ、「ドクター・ストレンジ」を前作から見てください(笑)。私も前作を最初に見たときは、周りの方に「これはあの作品のこことつながっていて…」と言われてもハテナだったんです。それでも楽しめたし、「1」を見れば「2」も見たくなるし。マーベル作品って、エンドロールが終わってからも少し物語があったりするんですよ。初心者の方は、そこまで絶対に座席を立たないでください(笑)。「あれ、あの人がこんなところに…」というような、オマケというか伏線になっていたりするので。今回の作品も、エンドロール後まで楽しめるはずです!
――作品ごとに、マーベルの世界観がどんどん広がっていくんですね。
松下:本当にそうなんですよね。だから『ドクター・ストレンジ」を見たら「スパイダーマン」も楽しめるし、全部つながっているので、どこから入っても楽しめるのがマーベル作品の魅力です。
――本作ではマルチバースというパラレルワールドのような世界への扉が開かれますが、もしもう一人の松下さんがマルチバースにいるとしたら、どのように生きていきますか?
松下:マルチバースにいながら、さらにもうひとつ世界を作ります(笑)。3人でも4人でも増やせられますもんね(笑)。マルチバースにもう一人の自分がいたら、どういう人生を送っているかな?私はすごく真面目でキッチリしているので、真面目じゃない、キッチリしていない私を見てみたいです(笑)。同じ顔をしているけど、真逆のことをやっているところを傍から見ていたいですね。
■映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」
5月4日(水)全国公開
配給=ウォルト・ディズニー・ジャパン
声の出演(日本語吹き替え版)=三上哲、松下奈緒、行成とあ、田中美央、小野大輔、鬼頭明里ほか
(C) Marvel Studios 2022