自分なりに解釈しながら撮影に臨みました
――オーディションの話が来た時に「この役(サーリャ)は絶対に私が演じたい!」と思ったそうですね?
お話を頂いた時に、サーリャという役柄が日本で育って日本人として生きて行きたいけど、どうしても見た目とかで外国人扱いをされてしまうところが私と共通しているなと感じたんです。もちろん、全然状況が違うんですけど、私も幼少期の頃からそういう経験がありましたし悩んでいた部分だったので、サーリャを演じてみたいと思いました。
――撮影中は、どんなふうにサーリャと向き合っていましたか?
最初の頃は理解できなかったところがあったんです。分からないことがあったら監督に聞いて、監督が思っているサーリャを自分なりに解釈しながら撮影に臨んでいました。
サーリャは友達にも自分のことを話していなかった女の子。最初は何を考えているのか分からない、顔にあまり気持ちが出ないような感じを意識していました。
あとはクルド人の女の子に会って、彼女の現状を聞きながらサーリャという役柄のイメージがどんどん湧いてきたんです。役作りをする上で参考になりました。
私だったら絶対に怒っています
――演じていて理解することが難しかった部分はどんなところでしたか?
(本編では)カットされているんですけど、妹のアーリン(リリ・カーフィザデー)が勝手に家のお金を使ってサーリャと大ゲンカになるというシーンがあったんです。妹にひどいことをされたのにサーリャは許しているというか、むしろ優しく接しているんです。自分が家族のために一生懸命働いて稼いだお金だったのに、ちょっと優し過ぎるんじゃないかなって。私だったら絶対に怒っていますから。
でも、監督から「サーリャはそういう状況でも家族のことを大事に思っている女の子なんだよ」とアドバイスを頂いて。自分が思っていたサーリャとは違う部分をより深く理解して、彼女のことを知るきっかけになったんです。撮影現場で監督とお話しすることって大事なんだなと思いました。
――サーリャとアーリンの関係がギクシャクしている場面は、本編でもありましたよね?
エアコンのスイッチを入れたり切ったりするシーンですよね。あれも、私だったら怒っています(笑)。でも、サーリャは妹に対して感情をあらわにすることがない。家族のことを大事に思っているし、なかなか自分の意見を言えない部分もあるのかなと感じました。
5⽉6⽇(⾦)新宿ピカデリーほか全国公開
出演:嵐莉菜、奥平⼤兼、平泉成、藤井隆、池脇千鶴、アラシ・カーフィザデー リリ・カーフィザデー リオン・カーフィザデー、韓英恵、サヘル・ローズほか
監督・脚本:川和⽥恵真
主題歌:ROTH BART BARON 「NewMorning」
企画:分福 制作プロダクション:AOI Pro. 共同制作:NHK FILM-IN-EVOLUTION(⽇仏共同制作)
助成:⽂化庁⽂化芸術振興費補助⾦(映画創造活動⽀援事業)独⽴⾏政法⼈⽇本芸術⽂化振興会
製作:「マイスモールランド」製作委員会
配給:バンダイナムコアーツ
(C)2022「マイスモールランド」製作委員会