6月17日(金)公開の映画「峠 最後のサムライ」完成披露試写会が5月2日に東京都内の劇場で行われ、舞台あいさつに役所広司、松たか子、小泉堯史監督が登壇した。
松「(おすがを演じていて)すごく幸せでした」
同作は、司馬遼太郎のベストセラー小説「峠」を映画化したもので、戊辰戦争で西軍5万人にたった690人で挑んだ幕末の風雲児、河井継之助の最後の1年を描く。慶応4(1868)年、鳥羽・伏見の戦いを皮切りに戊辰戦争が勃発。越後の小藩、長岡藩の家老・河井継之助(役所)は、東軍・西軍いずれにも属さない武装中立を目指す、というストーリー。松は継之助の妻・おすがを演じた。
舞台あいさつにて、松は「夫を勘ぐったり、試したりと、いろいろな駆け引きをしてしまいがちなのに、おすがは継之助さんを疑うことなく見つめている。そんな関係性の2人がかわいく、(演じていて)すごく幸せでした」とにっこり。
また、「現場で役所さんにお会いしたら本当に軽快な継之助さんで、『(おすがは)この人と一緒に生きている女性なんだな』と、そこでイメージが広がりました。いろんな方のお力をお借りしてなんとかやらせていただいて、本当に幸せな時間でした」と役所との撮影秘話を告白した。
松が役所の言葉に赤面
役所は松について「実は松さんが20歳ぐらいの時に同じドラマに出ていて、お姫様役の松さんが籠から出てくるシーンをスタジオの外のモニターで見て、『なんて華のある女優さんだろう』と思って。その頃からずっと見続けていて、久しぶりにお会いして、女性としても、お母さんとしても、妻としても、どんどん豊かになっている感じがして」と語り、「撮影の時は、松さんの包容力で2人のシーンが出来上がったような感じがしていました」と振り返った。
役所の言葉に松は「本当にもったいない言葉で…。(役所の顔を)見られません」と赤面しきりだった。
(取材・文/原田健)