小栗旬が語る印象的な場面「初めて義経に対して意見をする瞬間」
――第18回の中で印象に残っているシーンはありますか?
最後、戦が終わった時に義経と二人で話をするシーンです。そこは、素晴らしいロケーションで撮影もさせてもらいましたし、その中で、義時は自分たちが目指した平家滅亡というものは、果たしてこれが正解だったのだろうかということを悩んでいて、初めて義経に対して意見をする瞬間でもあるので印象に残っています。
――二人のシーンについて話し合ったりされましたか?
お互いに、「ここはこういう芝居をしようか」といったような話は特になかったです。演出の吉田照幸さんを含めて、心に刺さるものを残していくためにどうしたら良いのかという話は現場でしながら作っていきました。
――義時と義経の関係性をどのように感じていますか?
今回の第18回に至るまでは、義経の中であまり義時は眼中にない存在だと思います。「小四郎なんとかしろ」とか言われる瞬間はありますが、彼にとっての義時は、あくまで頼朝の家人であって自分にとってはそんなに大きな存在ではないというスタンスで絡んできています。
菅田将暉の魅力とは…「底の知れない人という印象です」
――義経を演じる菅田将暉さんの魅力を教えてください。
義経を演じる姿を見ると、今まで見てきたの中の菅田将暉とは、また違う存在感を感じられて、底の知れない人という印象です。あまり現場で悩んでいるような素振りとかを見せる人ではないので、いつどのタイミングでお芝居のことを考えているのかなと思っています。
――義時と似ている部分や、異なる部分はありますか?
なかなかこの時代の人物を今の自分に投影するのは難しいです。その中でも、900年以上前の状況を想像して、その時代の感覚を今の自分の中から絞り出さなければいけないので、間違いなく自分のパーソナルの部分も含めた義時というキャラクターになっていると思います。
先日、現場で宮沢りえさんとそのお話をしていて、同じ台本をもらっても僕でなければこの義時にはならないし、違う人が演じた場合には、絶対違う義時になると思います。大泉さんが演じなければ絶対、今回のような頼朝にはなっていない、といったようなお話をしていたので、間違いなくその俳優さんが持つ何かしらの部分というものは、役を通して出ていっているのだろうと思います。そのうえで、自分との共通点が明確に見えるかというと、そうでもないなという気はします。