第18回は「非常にドラマチックな回になっています」
――第15回は神回と言われていますが、今回の第18回はどのような回になりますか?
義経を見つめる義時と頼朝というものにとても共感しましたし、最後にやっぱり義経というのはヒーロー、英雄なんだなと感動しました。ただの“アクションエンタメ回”ではなく、非常にドラマチックな回になっています。
第18回で描かれる源平合戦は「鎌倉殿の13人」の中の一つのクライマックスとして、たっぷりお楽しみいただきたいと思っています。この回に関しては、紀行の時間も本編に組み込んで、45分丸々本編という作り方にしています。
――第18回の注目ポイントを教えてください。
今回のドラマのスタンスでもあるんですけど、歴史学の最新の知見などを反映させながら作ると同時に、古典の物語として、日本人が長く愛してきた平家物語や源平合戦、源義経、源頼朝をきちんと取り入れていきたいと思っています。義経の八艘飛びは、壇ノ浦を描く上で欠かせない一つの重要なピースだと思っていますので、これぞ源平合戦の壇ノ浦という描き方にしております。ぜひ注目していただきたいと思います。
制作統括から見た菅田将暉のすごさ「目が離せない芝居を見事にされる方」
――清水さんが感じた菅田さんの魅力を教えてください。
菅田さんは素晴らしい俳優さんだなと感じました。「俺を見ろ」というような目が離せない芝居を見事にされる方だなという印象があります。三谷さんの描く義経と、菅田将暉という俳優が本当に素晴らしい出会いをしているなと思います。特に菅田さんが、今の歳で義経を演じるのが本当にぴったりだったと思いますし、三谷さんが描く「鎌倉殿の13人」という作品を作る時に、菅田さんが現れてくれたことは本当に幸運なことだったなと。これまでの歴代の皆さんが演じて来た義経と比べて、存在感を放つ義経になっています。
――三谷さんが描く義経というキャラクターの魅力はいかがですか?
僕は、最初の第8回の野武士と矢を飛ばす勝負をする振りをして、相手を射殺してしまうというシーンにはとても驚きましたし、三谷幸喜はすごいことを考えるなと感激しました。義経がただの残忍な魅力のない人間かというと決してそんなことはなくて、自分の欲求や衝動といったものに一直線に突き進んでいて、一つの新たな義経の姿になっていると思います。上総広常の粛清をきっかけに、ついに義経を先頭に源平合戦が始まるわけですが、その時に「絞られた矢が放たれたようだ」というセリフが出てきますが、彼が今まで溜めに溜めてきたエネルギーが一気に放出される姿は本当に見事ですし、本当に三谷さんの脚本は面白いと思います。
――義経の今後について教えてください。
義経は、味方でいる間は非常に頼りになるけど、それがそうではなくなったときに物凄く危険な刃になると思います。義経の持て余すエネルギーを利用する朝廷が現れ、奥州・藤原氏という義経を育んだ藤原秀衡という存在もいます。義経という強烈な人を巡る鎌倉と朝廷、奥州平泉という三角関係が展開されていきます。