ディズニーによるオリジナル ミュージカル・ムービー「スニーカーシンデレラ」(ディズニープラスで独占配信)が本日5月13日より配信スタート。童話「シンデレラ」をモチーフとし、シンデレラが少年に、ガラスの靴がスニーカーになり現代によみがえった物語をレビューする。(以下、ネタバレを含みます)
“現代版”シンデレラは少年!
まずは、あらすじをご紹介。
スニーカーデザイナーを夢見る少年エル(チョーズン・ジェイコブス)は、亡き母が遺した靴屋さんで、ストックボーイ(商品補充係)として働いていた。
ある日、エルは伝説的なバスケットボール選手で、現在は“スニーカー王”の異名を持つダリウス・キング(ジョン・サリー)の娘であるキラ・キング(レクシー・アンダーウッド)と運命的な出会いを果たす。
タイトルから推察できるとおり、本作で描かれるのは“現代版シンデレラストーリー”。主人公は少年に、ガラスの靴はスニーカーとなって、夢をかなえようとする物語が繰り広げられる。
「シンデレラ」をオマージュする中で描かれる勇気
シンデレラといえば、意地悪な継母と義理の姉妹だが、本作では継父と義理の兄弟たちによって、主人公は不遇な状況に。しかし、だからこそ応援したくなるというもの。
現代のおとぎ話らしく“ちょっとした魔法”の力も登場。
物語中盤、エルは恋心を抱くキラも参加するスニーカー王主催のパーティに、アイデアが詰まったオリジナルスニーカーを作り上げて向かおうとするもピンチが訪れる。
そこで手助けしてくれるのが、エルの知り合いの庭師=フェアリーゴッドファーザーによる、魔法なのか“幸せな偶然”なのか想像が広がる不思議な力だ。古ぼけた車が、レアなピカピカのかっこいいビンテージカーに。偶然通りかかったトラックからはスタイリッシュな洋服が落ちてくる。
無事、パーティに参加できるも午前0時で“魔法”が切れてしまい、エルがスニーカーを片方だけ残していくというドラマティックな展開となる。
シンデレラストーリーに欠かせないファンタジックな描写が、物語を軽やかに、楽しく見せてくれる。
そこからは、エルの勇気が焦点に。母が大切にしてきたもの、そのなかで芽生えた夢と持ち前の才能。夢とキラへの恋心から一歩を踏み出そうとするが、今の自分でいいのかという不安からふとついてしまった嘘で、チャンスが消えそうになってしまう。
エルはどう立ち上がるのか。また、ヒロインであるキラの立場や気持ちも丁寧に描いていく。
ファンタジックなだけでは終わらない。元祖「シンデレラ」のように、王子様に見つけてもらうのを待っているのではなく、自身の手で夢を追いかける現代版シンデレラストーリーならではの葛藤と奮闘が共感を呼ぶはずだ。
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社