市原隼人が役者として“ととのった”瞬間「絶対に“夢”が勝たなきゃいけないと感じました」<サウナの神さま>
サウナ好きで知られるサバンナ・高橋茂雄が世界のトップランナーをサウナへ招き、人生の“ととのった”瞬間=ターニングポイントを聞く番組「サバンナ高橋の、サウナの神さま」(隔週木曜夜9:25-9:54、TOKYO MX)。5月12日の放送回は俳優の市原隼人が登場し、仕事への覚悟が芽生えた“役者としてととのった瞬間”を打ち明けた。対談後、高橋は「サウナに対する思いが僕と合うと思って、いろいろなお話が聞けて楽しかったです。収録後にも2人でサウナに入ったのがとてもいい思い出です」と充実した時間を過ごせたことを振り返った。そんな対談で市原が語った役者への思いとは――。
本気のサウナロケに「ガチなんですね(笑)」
今回のロケーションは、東京・武蔵小山温泉の「清水湯」。収録中も「純粋に昔からサウナが好き」とサウナ愛全開の市原に、高橋も「サウナに対する思いが僕と合う」と感想をもらすなど、初対面ながらサウナ好き同士、気が合った様子。
――高橋:テレビの企画でサウナに入るのは初めてですよね?
市原:初めてです(笑)。(収録だから)もっと温度低くするのかと思ったら、ガチなんですね(笑)。もう汗がすごい。
――高橋:どうですか、サウナで“ととのう”感覚っていうのは。
市原:すごくわかります。セリフとか一通り覚えてからサウナに入って「あのシーンのあのセリフが言えるまで今日は絶対出ない」とか。
――高橋:へぇ~!そうなんや!もともと何歳から役者の道に?
市原:小学校5年ぐらいのとき渋谷でスカウトされて。もともと前に出るのも苦手ですし、しゃべるのもへたくそですし、「やりたい!やりたい!」っていう思いじゃなかったですね。
――高橋:将来の夢とかもまだ定まってない時代ですよね。
市原:小さい頃は器械体操と水泳を2歳からやっていたのでその選手になりたかったのと、プロレスがすごい好きだったのでプロレス関係の仕事に就きたいと思ったり。誕生日は毎回父からプロレスのチケットをもらっていましたね。
――高橋:小学校の時めちゃめちゃモテたでしょ?
市原:いやいやモテてなかったです(笑)。女の子としゃべるの苦手でしたし。バレンタインデーも「こんなものいらねぇよ」って言っちゃうような(笑)。
――高橋:わかる(笑)。小学校の時はそうやわ。
車にカギをかけて立てこもった10代の頃
――高橋:映画デビュー作は「リリィ・シュシュのすべて」(2001年)ですね。岩井俊二監督っていったら超大御所で。
市原:本当に楽しかったです。今になってみるとすごく貴重な作品だったなと感じるんですけど。あの頃はもっと、ビジネスじゃなくて“夢”を追いかけてた人が多かった気がします。
――高橋:じゃあ「リリィ・シュシュ―」を経験して、芸能界でやっていこう、と?
市原:「芸能界でやっていこう」とは10代の頃は本当に思えなかったです。プレッシャーに耐えられなかったんですね。マネージャーが車から出た瞬間に全部カギかけて、「俺はもう行かない!」って言ったりとか。
――高橋:立てこもりやん(笑)。そんなにキツかった?
市原:そしたらトランクが開いてて「開いてるよ」って言われましたね(笑)。考えが変わったのは、応援してくれるファンの方が「自分はあと何か月の命だけど、隼人くんの笑顔を見ると病室で頑張れるんです」って言ってくださった時で…。涙が止まらなくなって、なんて失礼な思いで仕事をしていたんだと心から思ったんです。それからはもう“お客様のために”という思いです。ビジネスと“夢”が混沌(こんとん)とする世界で、絶対ビジネスが先行してはいけない。絶対に“夢”が勝たなきゃいけないと感じましたね。そこからは全部自分のせいにするようになりました。自分が変わればすべてが変わっていくので。