見応えのあるハイブリッドな世界
チップとデールを始めとするキャラクターたちが、リアルな人間(実写)とともに存在する世界。CG、2Dアニメ、実写の融合というと画面がちらかってしまいそうだが、そこは常に先進的な挑戦をするディズニー、見事な仕上がりになっている。
2Dのチップと3Dのデールのモンタリー捜索に協力するのは、本当の人間が演じる刑事エリー(キキ・レイン)。テレビシリーズの大ファンだったというエリーとチップ&デールが話す場面は、体格差をリアルにしつつ、とてもナチュラルで、チップやデールが実在しているかのよう。こんな世界があったらいいなと思ってしまう。
さらに、エリーの上司であるパテ警部はクレイアニメーションで、ほかにもパペットや、CGアニメでも古い時代の描写のキャラクターがいたりと、映像技術の歴史ともいうような世界が一体となっているのも面白い。
どれだけ分かる?ディズニーキャラクターの豪華共演が実現!
本作の舞台となっているのは、映画の都といわれるロサンゼルス。チップとデールが目指したショービジネス界はディズニーの世界につながり、新旧のディズニーキャラクターたちが次々に登場する。なかには「えっ、このキャラも!?」というようなサプライズも。
それが楽しみでもあるので、ここではいくつかの予告映像で解禁されているキャラクターを挙げてみよう。
三匹の子ぶたたち、ロジャー・ラビット、「美女と野獣」のルミエール、「ひつじのショーン」の羊、「リトル・マーメイド」のフランダー、「ライオンキング」のプンバァなど、予告映像だけでも追いきれないほどのキャラクターの姿が。
そして衝撃的なのが、ピーターパン。ネバーランドに住む少年だったはずが、小太りで小汚いおじさんに!物語は、ショービジネス界を揺るがす(?)たくらみが背景にあり、実はピーターパンは悪役での登場となる。
ショービジネス界を軸にしていることは、映画&エンタメマニアの心もくすぐる。「インディ・ジョーンズ」や「スター・ウォーズ」といった映画作品などの小ネタも満載。
あそこにも、ここにも!と、エンドロールに至るまで画面の隅々をチェックし、何度も見たくなってしまうだろう。ディズニー作品でおなじみとなっている、隠れミッキーも登場するのでお見逃しなく。
懐かしさと新しさとサプライズ感に満ちた展開、そしてユーモラスと悲哀、時にホロリとする場面も。子どもはもちろんだが、ディズニーとともに育ってきた大人だからこそ楽しめるともいえる作品が誕生した。