中井「説得と打ち合わせを繰り返し完成までに数年かかった」
北川:ただ、私が演じた役は少し違っていて、あまり現代と過去に共通点がないんですよね。というよりも過去パートで演じたエイは、伊能忠敬の元妻であること以外はほとんど知られていなくて。この作品の中でも浮世離れしている存在なのですが、逆に現代パートで演じた観光課長が強い女性だったので、私が2役を演じることで乱してしまわないかなと心配でした。
でも、あまり考え過ぎても良くないと思ったので、現場で感じたことを大切に演じていました。
――大河ドラマの企画を進めるうちに、忠敬は地図完成の3年前に亡くなっていたという真実が明らかになり、執筆を依頼された老脚本家が「伊能忠敬では大河にならない」と宣言しますが、本作を製作する上でも何か予想外のことなどは起きましたか?
中井:大河ドラマ「おんな城主 直虎」(2017年NHK総合ほか)などの森下佳子さんに脚本をお願いしたのですが、2回目の打ち合わせのときに「伊能忠敬は十分大河になるから、私には難し過ぎるかもしれない」とおっしゃるんです。そこから説得と打ち合わせを繰り返し、完成までに数年かかりましたが、最終的には素晴らしい脚本に仕上げてくださいました。
北川:本当に面白かったです。登場人物は多いのですが、読みづらさは一切なく、どんどん自分の中で映像が広がっていくような脚本でした。いい意味でハードルが高くなく、初めて時代劇を見る方にも楽しんでいただけると思います。
◆取材・文=馬場英美
5月20日(金)公開
出演:中井貴一、松山ケンイチ、北川景子
岸井ゆきの、和田正人、田中美央、溝口琢矢
立川志の輔、西村まさ彦、平田満、草刈正雄、橋爪功
原作:立川志の輔「大河への道-伊能忠敬物語−」(漫画版:小学館ビッグコミックオリジナル増刊号にて連載中/小説「大河への道」河出書房新社)
脚本:森下佳子
音楽:安川午朗
監督:中西健二
製作幹事:木下グループ
製作プロダクション:デスティニー
配給:松竹
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/taiga/
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