Mリーグ優勝チーム・KADOKAWAサクラナイツが語る、自由なチーム運営 Mリーグが麻雀界にもたらした影響とは

「Mリーグに入るまで、こんなに応援されることはなかった」(堀)

KADOKAWAサクラナイツ ※提供写真


チームスポーツにはサポーターが欠かせない。サクラナイツのファンは「桜騎士団」と呼ばれ、メンバーたちにとってかけがえのない存在となっている。

「桜騎士団の皆さんは、どんな時でもネガティブを出さずに応援してくれているんです。きっと負けたら苦しいだろうし、勝ったら私たちと同じくらい喜んでくれる。だからファンの方に喜んでもらえる時間をできるだけ増やしたい。そのためにたくさん勝ちたいと思いました」(岡田)

「僕はMリーグに入るまでこんなに応援されることはなかったので、ファンの方に普段からすごく励まされています。だからいつか恩返しをしたいけど、それは結局勝つことしかないから、結果を出したかった」(堀)

「熱量がすごいし、悲しみや喜びを共有してくれていると思います。サクラナイツは後発のチームなこともあって、Mリーグから麻雀を見始めたというファンの方も多いんです。皆さんすごく優しいし、チームを大事にしてくれています。」(内川)

「すごく温かいファンが多いです。チームスポーツを応援しているとついつい攻撃的になってしまいがちだし、麻雀は他のスポーツと違って、誰でもある程度打てるからこそ『神視点』で語れてしまうところがある。でもサクラナイツファンの皆さんは、選手をいつも温かく応援してくれています」(森井監督)

麻雀プロでないからこそ、監督として言えることがある

森井巧監督 ※提供写真


サクラナイツの監督である森井巧は、プロ雀士ではなく元々KADOKAWAの編集者だ。元々フリー麻雀を打つこともなく、仲間内で時々プレイするくらいだったという彼は、なぜMリーグの監督になったのか。そして監督というポジションをどうとらえているのか。

「元々サッカーなどチームスポーツを観戦するのが好きで、Mリーグもその視点でパブリックビューイングを見に行っていました。そのときに(Mリーグチェアマンの)藤田社長にご挨拶させていただいて、後日KADOKAWAとしてチームを持たないかというお話を頂き、監督に就任しましたが、僕は今後も麻雀プロになるつもりはありません。確かに野球やサッカーは引退した元プロの監督が多くて、経験を生かして戦術を考えています。ですが、麻雀は年齢を問わずできる頭脳スポーツなので、引退がほぼない。今から自分が麻雀プロになると、選手の後輩になってしまいますし、選手よりも下部リーグに所属していると、気持ちの面で素直なオーダーを出しづらい。素人でいることで、独自の視点から遠慮せずに監督としての意見を言えると思っています」

「過去2年の経験で、やはり調子のいい選手をたくさん出すのが好循環につながるとわかりました。一方で、レギュラーシーズンで苦戦した岡田さんを試合に出し続けたように、調子が良くなくてもある程度の数を出すことも大事。選手は1トップをとるまでずっと心理的に苦しい状態ですから。1年目は局面によっては内川さんに相談しながらオーダーを決めていましたが、2年目からは僕だけで決めています。チームの勝ち負けの責任は監督が負うべきだと思っているので、監督としてオーダーの決定権を持つことで、選手に少しでも責任を負わせないようにできたらと考えています」