清塚が語る「図面みたいな楽譜」の作曲家とは?
真彩:単純にすごく気になることなのですが、清塚さんが一番好きなクラシックの作曲家さんと、クラシックの曲は何ですか?
清塚:一番は難しいですが…。案外、一般の方によく知られていないんですけど、「ラヴェル」。
真彩:(急に立ち上がりこれまでより大きな声で)あ! ラヴェル! 大好き(笑)! ラヴェル大好きです!
清塚:こういう時に宝塚に戻るんですね(笑)。
真彩:(興奮気味に)ラヴェル大好きで、小学生のとき、図書館でラヴェルひたすら借りて、ずーっと聞いていました。
清塚:えー! じゃあサウンドもお好きなんだ?
真彩:はい! 私は曲名を覚えるのがすごく苦手なので音楽でしか覚えてないんですけど、大好きです。
清塚:ラヴェルといえば「ボレロ」など有名な曲もありますが、残念ながら有名じゃない曲にもたくさん良い曲があって。メロディーが例えばショパンとかほど口ずさめるようなメロディーじゃない曲が多いのであんまりスッと入ってこないかもしれないんですが、私は好きなんです。
真彩:私は何とも言えない、聞いていると色んな色が見えてくる感じが好きなんです。
清塚:へー!
真彩:単純なピンク色! 黄色! みたいな感じではなく、モネの「睡蓮」のような…そういう色味が曲から聞こえるから、一体これは何なんだろうと思いながら聞いていて。大好きなんです。
清塚:すごい、さすがの感性ですね。モネで言うとドビュッシーとかも近い気がします。同じ時代のフランスの作曲家で、非常に色彩的で、イメージ的、絵画的な音楽がすごく多い。ただ、ドビュッシーとの違いは、図面みたいな楽譜なんですよ、ラヴェルって。
真彩:へぇー!
清塚:逆に言うと、私らの判断があまり要らない楽譜っていうか、「この通り弾けば絶対よくなるからどうぞ」っていう楽譜なんで、あんまりこっちの感性の遊びが無いっていうか。
真彩:音楽記号とかもしっかり書いてあるんですか?
清塚:記号もそうなんですけど、音符の配置の仕方とか、リズムの書き方が、こっちがスピードをどんどん増していって、エキサイティングにしていきたいっていうところを、ラヴェルがリズムで、もうスピードをどんどんあげてくれるので、こっちはもうテンポ通り弾いていればいいみたいな。
真彩:へぇー!
清塚:非常に、神経質な楽譜なんです。音もとても神経質でデリケートなパターンで。でもすごいサウンドが、私は好きでね。
真彩:はー、ラヴェルですか。これはすごくテンション上がってしまいました(笑)!