ぼる塾・田辺さんの悩み「感情が表に出過ぎる」を“妄想力”で解決してみた【連載：酒寄さんちょっと聞いてくださいよ#16】

「失礼な発言をした相手が前世で自分の村を救ってくれた勇者だと思いこむ」

私はこれで乗り切ります。向こうが悪いのにこっちが変わらなきゃいけないなら、どうせならこっちだってふざけてやりましょう。

私(この人すごく腹立つけど前世で私の村を救ってくれたし…)

※ちなみにその相手は前世の記憶がない設定です。だから現代では勇者だった頃の勇敢で優しく真摯だった性格ではないのです。

私(この人は前世で村を救った勇者だから今こんなに無神経だけど、前世で稼いだポイントで楽しく暮らしていけるんだ。村の名前はアルケー村で、竜に狙われた村で…)

そんなことを考えていると不機嫌な感情が消えていきます。その失礼な相手以外にも何人か周りにいる場合はその人たちの村での役職など(みんな前世同じ村に住んでた奇跡の集団としましょう)も考えてたりとむしろ忙しくて不機嫌になっている暇はありません。(ただし設定を作るのに夢中になり、人の話を聞き逃す難点があります)

田辺さん、この方法はいかがですか？

私の心の田辺「すごいわ酒寄さん！でも前世で村を救ってもらったなんて考えられないほど心に余裕がない時もあるわ。その時はどうしたら良いの？」

確かにそうですね。その場合、私は一点だけ守るようにしています。

「どんなに感情が高ぶっても自分が本当は思っていないことは言わない。」

以前、ネタ合わせをしていたときに田辺さんが自分より先にはるちゃんが田辺さんの持ちギャグの「まぁね〜」をすると言って怒っていました。

田辺「もう最近はるちゃんに『まぁね～』ってやられ過ぎて嫌になってきた!!もう『まぁね〜』はるちゃんにあげようかしら!!」

私はそれを聞いて笑っていたのですが、その日の夜遅くに田辺さんから連絡が来ました。

田辺「酒寄さんがくれた『まぁね〜』はるちゃんにあげたくないよ。カッとなって言っちゃってすごく苦しい。ごめんね」

私は特に気にしていなかったのですが、田辺さんは「まぁね〜」開発者の私にわざわざ謝罪の言葉をくれたのです。この出来事とリンクするのですが、以前、私の尊敬する人がこう言っていました。

「どんなに感情が高ぶっても、自分が本当は思っていないことは言わないほうが良いよ。その一瞬、カッとなって言ってしまうと、言った後で『何であんなこと言っちゃったんだろう』って誰よりも言った自分が傷つくから」

私も昔一度、カッとなって思ってもいないのに「田辺さんは面白くない」と言って、とても落ち込んだことがあります。私はその話を聞いてから、思っていないことは言わないと心に決めました。なので昔ぼる塾を抜けたいと思ったときも、私は「ぼる塾なんて無ければよかった」と言ったことはありません。何故ならそんなことを思ったことは一度もないからです。ぼる塾を結成して本当に良かったと思っています。

どんなに感情が高ぶっても、思っていないことは言わないと頭で決めていると、最後の最後で取り返しのつかないことにはならずにすむと思います。田辺さんもこの言葉をお守りにして感情豊かに生きてください。

最後に、私は無神経な人に対して一つだけ返す言葉を用意しています。私はエラはりなのですが「エラすごいね！」と言われたとき、「今まで歯を食いしばって生きてきたので」と言うとそれ以降あまりいじられなくなります。こんなことで困っている方はいないほうが良いですが良かったら使ってください。