若手による挑戦的な企画も目立つ
一方、深夜ならではの挑戦的な番組も生まれている。6回限定でレギュラー化された入社3年目の原田和実が企画・演出の『ここにタイトルを入力』(フジテレビ)は、6回すべてまったく違う角度からテレビのフォーマットを使って遊び尽くし、大きな話題を集めた。また「テレビ東京若手映像グランプリ」で優勝し地上波放送を勝ち取った入社3年目・大森時生による『島崎和歌子の悩みにカンパイ』も、普通のトーク番組のように見せかけ、途中で電波が乱れ、外国版『マネーの虎』風の番組が流れるのだが、謎の国が舞台で謎の架空言語を話すという前衛的な番組だった。
若手ディレクター渾身の企画が光る「るてんのんてる」
そうした野心的若手ディレクターが目立つ中、関西では『るてんのんてる』(毎週金曜深夜0:30-0:59、読売テレビ)という新番組が始まった。これはフットボールアワーをMCに据え、「読売テレビの若手ディレクターが温めてきた渾身の企画を自由に放送するチャレンジ番組」だ。たとえば入社8年目の阪口智稀Dが企画したのは、「スタジオコントにキャラの濃い一般素人を入れたら面白くなるのではないか」を検証する「出会っていきなりコント」。その日に出会った街行く人に声をかけ、一緒にコントをするのだ。あるいは、7年目の山本大翔Dが企画したのは「1カットコントドラマ『商店街にナイスガイ!』」。ザ・プラン9、ロングコートダディ、ニッポンの社長、ビスケットブラザーズ、天才ピアニストの5組のコント師が、商店街の様々な店舗でコントを披露するのだが、そのネタ同士がひとつの物語になっており、それを1カットで撮影するという企画だ。フットボールアワーの2人も「聞いただけで撮影が大変そう」と唸る仕組み。それぞれの持ちネタをプラン9のお〜い!久馬がつなげたというコントは、それぞれのコントの中にも別のコンビの芸人が演者として入ってきたり、その後の伏線が入ってきたりと巧妙。とても見ごたえのある作品になっていた。さらに入社5年目の坂本一馬Dによる「俺たちだって恋をする」は、島田一の介、やなぎ浩二、今別府直之ら吉本新喜劇で活躍するベテラン芸人がBL学園ドラマを演じ、そこに梶裕貴、高橋広樹、吉野裕行といった売れっ子声優が声をあてるという、概要を聞くだけでシュールで可笑しい企画。
昨今、深夜といえども「実験」や「発掘」のようなことがテレビでは難しくなっていた。だが最近は再びその機運が高まっているのではないだろうか。TVerのような見逃し配信もあることで、深夜や地方でひっそりと放送して終わりではなく、SNSなどで話題になった後からでも視聴できる環境が整い、放送では見ることができなかった人たちも見ることができる。だからこそ、こうした作品性の高い番組は可能性に満ちている。
文/てれびのスキマ
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。





























