――アフレコでは松の動きや表情に注視して映像を見ながら、津田はその場でアドリブを加えているという。
津田:松の場合はアニメーションのような正確な口パクはありませんので、映像を見て3回ワンと言ったなと思ったら、セリフと見比べて、セリフを切る場所を考えたり、本広克行監督と相談しながらセリフを増やしたりしています。
監督が場面ごとに松の言いたいことや伝えたい気持ちを説明してくださるので、それに合わせて台本に書かれている倍ぐらいのセリフを僕が作っているんです。例えば、第2話の「酒クサッ!」というセリフは台本になかったものです。かなりお酒を飲んだお父さんが顔を近づけてきたのですが、松は鼻がいいので臭いんじゃないかな?と感じたので入れてみました。豆三郎くんが一生懸命演技をしてくれているので、できるだけ声で気持ちを埋められたらいいなと思っています。
――声優、俳優だけでなく、監督もしている津田が感じる今作の魅力は?
津田:家族愛、友情、青春、恋愛。いろいろな要素がコメディーとして成り立っていることがとても面白いですよね。それから現代的なテーマも根底に流れていると思います。今作は間宮祥太朗さん演じる剛が本来の自分を取り戻す自己解放の物語で、多様性など深いテーマも含まれていると思います。