藤原「ご覧になる方も僕と一緒に沙羅に振り回されたらうれしい」
――茅島さんが演じる沙羅、藤原さんが演じる一真は、どんな人物ですか?
茅島:沙羅は、台本を読んだときから何を考えているのかわからないミステリアスな部分や狂気性を感じました。今まで演じたことのないキャラクターだったので、本当に難しかったです。いきなり突拍子もないことをやり始めたりもするので、どう見せるかについて、常に監督と話し合いながら演じていました。
藤原:一真は自分のことを認めてもらったことがないので、自己肯定感が低く、臆病な男の子です。そんな中で母親を亡くしていて、妹を守りたいという気持ちを持っている家族愛にあふれた子かなと思います。
――演じる際に難しいと感じた部分は?
茅島:一番難しいと感じたのは、目線です。ちょっとした口角の上げ下げでも見え方が変わりますが、監督と一番多く話しているのは目線について。例えば、人と話すときにずっと相手の目を見続けることってないと思うんですけど、沙羅は目を見続けたり、見るべきところで逸らしたりするので、普通の感覚では演じられない。その都度、話し合いが必要でした。
藤原:一真は臆病でいろんなことに一歩踏み出せないからこそ、沙羅に助けられていくんですけど、僕自身はその一線をガンガン越えていくタイプ。あ、危ない意味じゃなく、困っている人がいたら反射的に助けるとかそういうことです!(笑) でも一真は躊躇してしまうタイプなので、新しい自分を作りだしていくような作業が必要でしたが、そこは難しくもあり、楽しくもありました。
茅島:大祐さんが演じる一真は、かわいいと感じる瞬間がありましたね。一真は情けない性格ですけど、大祐さんが演じることによって、おちゃめな部分が出ていたように思います。
藤原:ありがとうございます(笑)。茅島さんは黙っているときの目が美しいんですけど、それが沙羅の冷酷さにも通じているように思いました。今回、一真は沙羅にドキッとするシーンが多いんですけど、そのドキッのなかには恋心だけでなく、冷酷さに反応することもあるので、リアルに反応することができたと思います。
茅島:ありがとうございます(笑)。
――2人の関係性は毎話、微妙に変化していきますが、台本の流れ通りの撮影でしたか?
藤原:順撮りではなく、バラバラに撮影していたので、気持ちを作るのが大変でした。でも、金井(紘)監督が必ず撮影の前に前後のシーンを確認する時間をくださったんです。全員で一緒に確認して、整合性を取ってから撮影に入らせてくれたので、気持ちよく演じることができました。
茅島:本当にびっくりするぐらい撮り順がバラバラだったので(笑)、監督には本当に助けられました!
――そういった状況下で、役にブレが生じないように意識していたことは何ですか?
茅島:沙羅は、一真や他の人に感情をぶつけられても全く動じないんです。そういうときも相手の目を見て、真顔で聞いていることが多いので、人間味がなくて怖い。お父さんの話になると感情が動きますけど、基本的には無関心で先のことを計算しているので、“無”であることを意識していました。
藤原:僕はそんな沙羅とは対照的に、何事にも全力で取り組むことを意識しました。感情も行動も真っ直ぐに突き進むのが一真で、だからこそ沙羅に振り回されるので、ご覧になる方も僕と一緒に沙羅に振り回されたらうれしいなと思います。