アニメ・ゲーム・音楽・スポーツなど、あらゆるジャンルの奥深い沼を取り上げ、その世界にハマってしまった10代=「ハマったさん」の魅力に迫る「沼にハマってきいてみた」(毎週月〜火曜夜7:30-8:00、NHKEテレ)。同番組は5年目となる2022年4月、スタジオセットなどデザインを一新し、第2章を迎えている。
今回はそんな「沼ハマ」の新MCに就任したCreepy Nuts・DJ松永とラランド・サーヤにインタビュー。自身が10代の頃の思い出やMCに就任しての感想、本日6月13日(月)放送の「レザークラフト沼」をはじめとする興味深い「沼」などについて聞いた。
10代と同じ土俵で戦って勝ちたいんです
ーー「沼にハマってきいてみた」のMCを担当されてちょうど2カ月が経ちますが、いかがですか？
DJ松永： 大人になると、生きる“道”のようなものを自分で選び取れるからこそ、どんどん偏って行きがちで、新しいものや価値観に謙虚でいることって難しいなと感じていて。そんな中、自分が30代になったタイミングでいろんなジャンルの新しい人の価値観に触れられる「沼ハマ」のMCを任せていただけたことは、自分にとってすごくプラスだなと思っています。
人には抗えない“好みの幅”のようなものがあると思っているのですが、でも、むちゃくちゃ抗いたいんです。結局、自分の音楽人生を長い目で捉えた時に、永遠に曲は作り続けるわけだから、マンネリにしたくない。だから、いろんなものを作るようにしているんです。
サーヤ：めっちゃ真面目じゃん...。
DJ松永：本当にそうなの(笑)。俺は10代のラッパーから目をそらさないって決めたんです。やっぱり若者は脅威だし、自分が正義だと信じて突き進んできたものとは外れた新しい世代のものに対して拒否反応を示すのは本能のようなものだけど、俺は絶対に目をそらさない。10代と同じ土俵で戦って勝ちたいんです。そんな中で、「沼ハマ」にいると凝り固まらないで済むし、勉強になります。
オタク文化へのまなざしの変化を感じた
サーヤ：私が10代のときには、オタク文化は見下されていて、風あたりが強かったんですけど、 大学生ぐらいからちょっと風向きが変わってきて、多様性みたいなのが、授業とかでもたくさん取り扱われるようになって。いろんな人がいて当然、みたいな流れになってきたのを肌で感じていました。
そんな中で「沼ハマ」をやらせてもらったのですが、自分が10代のときとは全然違う熱量で、無我夢中で何かにハマっている子たちを見ると、かっこいいなと。
私も自分の行動範囲が決まってしまうのがつまらないなと思い、自分から趣味を増やそうとしていた最中だったので、10代の子に刺激を受けて、物作りをもう一回ちゃんとやってみようかなと思っています。実は中高は美術部に所属していろいろ作っていたのですが、大人になってからは意味をなさない時間をないがしろにしていたので、もう一回そういう時間を取ってみようかなと。それこそ、「レザークラフト沼」(※6月13日［月］放送)なんかは、収録の帰りにすぐ東急ハンズに買いに行きました(笑)。
ーーこれまで番組で取り上げてきた中で、特にすごいと感じた「沼」は？
サーヤ：みんな熱量がすごいのですが、塩の回は特にすごかったです。登場したハマったさんは、わざわざ学校も、塩の取れる遠い所に通っていて。
DJ松永：DTMはすごかったな。10代であのクオリティーの曲を作れる子がそこそこいるっていうことがすごいですよね。あとは、レザークラフトの子は誰もやっていないことをやろうっていう意識まであったのがすごいなと思いました。10代って先人たちがやってきた技術を真似たりしてスキルを蓄える時間だと思うんですが、ちゃんと技術を身につけた上で新しいことをやっているという。
