原作の面白さに加わるアニメならではの表現
時間をループしながら、“影”に挑む慎平。彼の物事を俯瞰的に見ようとする癖は、見ている者にもいったん冷静さを引き戻させる。そうした巧みな構成が見事だ。
そんな慎平を、船の中で出会ったひづるや、老年の猟師・根津(CV:浦山迅)がサポートする。第6話からは彼らが“影”と闘うアクションも見どころに。“影”の特徴も明らかになってくる。
島の自然など美しい映像のなかに際立つ、血が噴き出すなどグロテスクな“影”の暴走と得体のしれない怪物感、効果音と共に現れるデジタル的なノイズの不気味さや不穏さ。緻密に練られた原作の精巧さに、アニメならではの表現力が加わる。
深みのある物語は、回を重ねるごとに魅了され、見どころが尽きない。これからが“影”との闘いの本番。原作ファンにはアニメならではの魅力を、原作未読の視聴者には先の読めないミステリアスな展開が楽しめるはずだ。
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