「A LIFE―」で初共演 浅野忠信『(木村拓哉は)同じ男として嫉妬してしまうほどの魅力』

2017/05/12 06:00 配信

ドラマ

日曜劇場「A LIFE~愛しき人~」(TBS系)で、主人公・沖田(木村拓哉)の親友で、ライバルの壮大(まさお)を演じた浅野忠信が、第92回ザテレビジョンドラマアカデミー賞にて、助演男優賞を受賞した。

浅野は受賞について「『壮大がすごく面白かった』と言ってくださるので、とてもありがたい」と笑顔に撮影=西田周平


――まずは受賞しての率直な感想を教えてください。

壮大のおかげですね。とても魅力的な役でしたし、集中して取り組むことができました。僕も久しぶりに連続ドラマに出させてもらったという意味でも、すごく力が入っていたので、壮大という役がどんどん盛り上げいってくれた気がします。

――壮大という役のどこに感じていましたか?

器用じゃないところですね。壮大は優れた脳外科医であり、病院の副院長も務めていて、優秀な部分がたくさんあるんだけど、その反面、取り乱しまくっている人ですから(笑)。僕自身、そこに魅力を感じましたし、同じ40代を迎えた男としては共感できるポイントがたくさんありました。というのも、若い頃はやり過ごせたことが、年を取るとやり過ごせなかったり、いろんなことが理解できなくなっていくことがあるんですよね。そういった壮大の苛立ちや葛藤、そして、失敗を経て自分の汚い部分を見直していく姿には、すごく共感しました。

【写真を見る】髪を振り乱すほどの壮大の壊れっぷりをもう一度!撮影=西田周平


――ドラマの放送中から壮大の壊れっぷりは話題になっていましたね(笑)。

そのあたりは楽しんでいただけたようで(笑)。今だにいろんな人が「壮大がすごく面白かった」と言ってくださるので、とてもありがたいことだと思います。それに、僕自身も楽しんで演じさせてもらいましたし、回を重ねるごとに壮大がどんどん花開いていくのが、すごく面白いと思いました。

――確かに終盤に近づくにつれ、壮大の野心や嫉妬心が空回りして、ちょっとおかしなことになっていきました(笑)。

ちょっとどころか、かなりおかしい方向になっていってました(笑)。でも、そういうことを目指していたというか、どんどん引き込まれる役にしたかったんですよね。映画だと2時間で終わってしまうけど、来週の放送があるというのがドラマの面白いところだなと思っていたので。そういう意味では、本当に突っ走っていました。

――壮大はすごく嫉妬深いのに、自分は不倫していたり、矛盾したところがありますね。

もう無茶苦茶ですよね。自分がなぜ嫌わるのかも分かっていない、いわばジャイアンみたいな男だと思います(笑)。

――壮大を演じる上で気をつけたことはありますか?

壮大は憎まれ役ではあるけれど、一辺倒な悪役にはしたくないという思いがありました。例えば、壮大は娘をとても愛していますが、普段は不倫をして、壁をぶん殴っているような男が「娘をこんなに愛しているのか」となったときに、「こいつバカじゃないのか」と思ってテレビを見ていた人は驚きますよね。そういった壮大の背景にある何かが出せればいいなと思い、自分からもアイデアを出させてもらいました。

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