「A LIFE―」で初共演 浅野忠信『(木村拓哉は)同じ男として嫉妬してしまうほどの魅力』
木村拓哉は現場では“リアル沖田”
――主演の木村拓哉さんとは今回が初共演でした。
現場では“リアル沖田”という感じが伝わってきました。言葉で説明するのは難しいんですけど、木村さんのカリスマ性だったり、何とも言えない魅力があって、そばにいると自然と引き込まれてしまうんですよね。それは同じ男として嫉妬してしまうぐらいですが、その感情をうまく壮大にも生かせたと思います。絶対にかなわない相手だということがわかったら、壮大のような人間だったら、きっとああいう感情が生まれるだろうなと思いました。
――会うまでの木村さんの印象と、実際に会ってからの印象は変わりましたか?
もちろん印象は変わったと思います。やっぱり木村さんはわれわれの時代のトップの方ですから、その方と同じドラマに出るのは、いい意味でプレッシャーがありました。でも、実際にご一緒してみたら、木村さん自身が沖田という役に現場のふるまい方を生かしているというか、現場でふるまっている木村さんが沖田に反映されているというか。僕はそういったことを器用にできるタイプではないので、すごいなと思いました。スタッフもキャストも全員巻き込んで、みんな沖田サイドになってましたから。
――そんな中で壮大は孤立する役だと思うのですが、正直、寂しくはなかったですか?
みんなから本当に嫌われているんじゃないかなと、ずっと思っていました(笑)。
――切な過ぎますね(笑)。
切ないですけど、そういう役だから、と思って。逆に、嫌われた方がいいのかなとも思っていました。でも、それでもコミュニケーションを取ろうと自分では頑張ったつもりなんですけど、木村さんのようにはいかなかったですね(笑)。木村さんは本当にみなさんから愛されていて、僕自身も大好きなので、そこは木村さんにお任せした方がいいんだなって。僕には同じふるまいはできないし、木村さんには到底太刀打ちできませんからね(笑)。