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<ドラゴンボール超>児玉徹郎監督×伊能昭夫氏対談「アニメーションの基準を上げる作品でもあると思っています」

2022/06/12 08:05

映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」より
映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」より (C)バード・スタジオ/集英社 (C)「2022ドラゴンボール超」製作委員会

“真正ドラゴンボール室作品”みたいな感じ


――この作品の制作はいつ頃から動き出したのですか?

伊能氏:この映画の本当の意味での立ち上がりは、5年半ぐらい前。2016年の10月に「ドラゴンボール室」という部署ができまして、その頃です。ドラゴンボール室ができる前に「ドラゴンボールZ 神と神」「ドラゴンボールZ 復活の『F』」という作品がありまして、「ドラゴンボール超 ブロリー」は公開前でしたがすでに制作は始まっていたので、今作がドラゴンボール室ができてから制作が始まった“真正ドラゴンボール室作品”みたいな感じですね(笑)。

児玉監督とお会いしたのもその頃だったと思います。5年半ぐらいの間ずっと作り続けてきたわけではないですけど、立ち上げが同じ時期だったということなので、この作品とドラゴンボール室は共に歩んできた感じがします。

――「ドラゴンボール室」という、1つの作品に特化した部署ができるというのもすごいことですよね。

伊能氏:歴史が長くなってきている中で、いろんな人に関わってもらっていて、その規模はワールドワイドに広がっています。それゆえに現状がどうなのかが分かりづらくもなってきていました。ドラゴンボール室ができたことで、規模感やファンの方の熱量も含め、自分たちにちゃんと見えてきたところがあります。

――ドラゴンボール室と共に歩んできた作品だからこそ、また一つ思い入れの強い作品に。

伊能氏:はい。鳥山先生は毎回毎回新しいチャレンジをされていて、ずっと同じではありません。今回もキャラクターのフォルムが変わっていたり、ビジュアル面でも変化をつけられたりしていますし、新しいキャラも登場しています。先生のそういう姿勢を見ていると、映像の中にその思いなども含めてちゃんと実現しなきゃいけないと思いますし、それが僕らの責任だなって。今回の作品は、それを果たすことを実践している映画になったと思います。

――児玉監督は、今回のオファーがあった時、どんな気持ちでしたか?

児玉氏:いくつかパイロット版があって、それを経てのお話だったんですけど、そのパイロットがコンペ形式だったことを後で知りました。

伊能氏:コンペ形式だったの? あ、そういえば何本か見た覚えが。

児玉氏:コンペ形式と言っても、何本か複数のものに関わっていたので、どれが選ばれてもよかったんですけど。

伊能氏:監督には前作の「ブロリー」でも3Dパートの制作をしてもらったりしていたので、僕は大信頼しているんです。

児玉氏:ありがとうございます(笑)。

ピッコロが中心に据えられたのが大きなポイント


――今回は「ドラゴンボール超(スーパー) スーパーヒーロー」というタイトルからして期待値が高いです。

伊能氏:先生が前作で“ブロリー”という超強いキャラを出して、バトル満載で強い敵と戦っていくというテンションだったので、次は違うテンションでやりたいかなと話されてました。違うテンションというのは、“明解に強大な敵に対して悟空たちが戦う”という形ではなくて、この地球というか、手元で起こる事件にしたいということです。「ブロリー」があったからこそ、今回の「スーパーヒーロー」のテーマや方向性が決まったという感じですね。

――そういうきっかけから。

伊能氏:はい。地球が舞台なのでピッコロとか悟飯を活躍させたいね、というところから始まりました。特にピッコロさんですね。地球人ではないけど魅力的なキャラクター、そんなピッコロさんが中心に据えられたというのが今回の大きなポイントです。めちゃくちゃかっこいいですからね。

児玉氏:ファンも多いですし、悲願だったと思います。ピッコロ役の古川登志夫さんもすごく喜んでくださってて。

伊能氏:あぁ、そうだね。最近は登場していても大活躍するという感じではなかったし。

児玉氏:すごい気合いで演じていただけました。

伊能氏:地球が舞台、ピッコロと悟飯を中心に据えて、ということで、敵としてレッドリボン軍を出しますか、という流れで決まっていきました。

――今回のテーマは?

伊能氏:シナリオを読むと“ピッコロと悟飯の師弟愛”とかが描かれていて、それに付随するキャラクターもたくさん出てきます。なので、僕個人としては“ピッコロの忙しい一日”とか、ある意味、“ピッコロとパンの師弟愛”とかもあるかなと思って、キャラクターの動機付けとして考えていきました。

――キャラクターがどれも個性的で魅力的ですよね。

伊能氏:キャラクターは全部鳥山先生が新たに描いてくださっています。先生のデザインがすごいなと思うのは、レッドリボン軍の中のこの3人(マゼンタ、カーマイン、Dr.ヘド)ですね。

冒頭、新キャラのこの3人で展開するんですけど、相当キャラ力が強くないと大変です。別にかっこいいキャラでもないですし、マゼンタとカーマインの2人はおっさんですし(笑)、でもやり切ってしまえるのは本当にすごいなと。先生が描いたキャラクターにより詳細な性格づけをされた監督もすごいと思います。

児玉氏:ありがとうございます!

伊能氏:キャラのイラストがあります。脚本もあります。でも初めてのキャラクターは、脚本に書かれていることから「こういう性格かな」というのは想像できるんですが、そこから“どう動かすか”とか“どういうしぐさをするのか”とか、そこは監督が作るしかないんです。

特徴のつかみ方は人それぞれ違うと思うんですけど、それでズレが生じるとその後が難しくなります。例えば、声優さんを決める時もそうですよね。児玉監督とはその部分において自分と同じ感覚だったので、声優さんを選ぶ時もスムーズにいきました。

下に続きます
映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」
6月11日(土)超拡大ロードショー!
配給:東映
(C)バード・スタジオ/集英社 (C)「2022ドラゴンボール超」製作委員会
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