蜷川幸雄と7年ぶりの舞台で寺島しのぶがサンドバック状態に!?
寺山修司作の舞台「血は立ったまま眠っている」の製作発表が26日、都内で行われ、演出家の蜷川幸雄、出演者の森田剛、窪塚洋介、寺島しのぶ、六平直政らが登壇した。
今作は自身で前衛劇団「天井桟敷」を主宰していた歌人の寺山修司が23歳のときに初めて手掛けた戯曲。寺山自身の詩から生まれたもので、60年安保闘争時の政治思想が色濃く残る中で、若者たちの憤りや葛藤(かっとう)が鮮烈に描かれた青春群像劇だ。
無邪気に落書きや窃盗などを繰り返す少年・良(リョウ)を演じる森田は「けいこをしっかり頑張って、いい舞台をやりたいと思います」と緊張気味。蜷川については「舞台には過去2回ほど出演しましたが、今回はまったく違う演出になるのかなと思っています。初めて蜷川さんに会った時“自由に勝手に動けよ”と言われたので、自分なりに考えてやっていきたい」と決意を語った。
良が心酔する兄貴分のテロリスト・灰男(ハイオ)役の窪塚は舞台初出演。「(舞台への挑戦は)未開のジャングルに素っ裸で入っていく感じがありますが、コーディネーターが蜷川さんということで、安心してゆだねていきたい」と独特の表現でコメント。蜷川の印象は「うわさでは灰皿を手裏剣のように投げたり、罵詈雑言が飛び出したりと聞いていたんですが、実際お会いすると懐が大きくて……逆に怖かったです(笑)」と心情を明かし、笑いを誘った。
7年ぶりに蜷川の演出を受けるという寺島は「7年前はわたしの芝居がダメで、目の前で胃薬を飲まれた記憶があります。蜷川さんはきれいな男性には優しいので、また今回もわたしがサンドバッグ状態になるのかなという予感はあります」と衝撃発言(?)を。それに対して蜷川は、「僕らは7年間にわたってケンカをしておりまして、ようやくこれで(寺島と)口をきくことになりました」と余裕の態度。本作の構想は長年温めていたそうで、「サブカルチャーが蔓延する現代で、“本物”と思われるような作品にしたい。ぜひ生で見ていただきたい。’10年の正月は、まがまがしい夢を見ていただこうと思います。どうぞ期待してください」と自信を見せた。
'10年1月18日(月)〜2月16日(火) 1月20日(水)、27日(水)、2月3日(水)、10日(水)は休演
S席:9500円 A席:7500円 コクーンシート:5000円
Bunkamuraシアターコクーンにて公演
'10年2月21日(日)〜28日(日) 24日(水)は休演
シアターBRAVA!にて公演