クールな魅力とのギャップがたまらない
30代以降は、出演作品数よりも一作一作の質を重視するかのようにキャリアを積んできた。2009年のドラマ「カインとアベル」では、「ドクター弁護士」にもつながるような憎しみと復讐心に満ちた演技で新たな一面を見せた。
2013年のドラマ「主君の太陽」では、気難しく冷淡なショッピングモール経営者ジュンウォンを演じた。序盤は冷たく見えたジュンウォンが次第にヒロインに素直な感情をさらけ出し「そばにいてほしい」「僕を守ってほしい」と切実な表情を覗かせていく展開は女性視聴者の心をつかみ、ドラマは同時間帯視聴率1位、最高視聴率21.8%という大ヒットを記録した。
そして2018年にはドラマ「私の恋したテリウス~A Love Mission~」で2年半ぶりにドラマ主演。正体を隠したクールな凄腕スパイ、キム・ボン(ジソブ)が、新たな任務として可愛い双子のシッターに奮闘する…というギャップあふれる展開でファンを魅了した。
双子たちとままごと遊びやお医者さんごっこも“任務”と割り切って遂行するなど、ジソブのクールでミステリアスなイメージを最大限に活かしたコミカルなキャラクターに女性ファンは魅了され、双子の母であるエリン(チョン・インソン)との不器用な恋にも注目が集まった。
さらには、すらりとした長身と高い身体能力を活かした本格的なスパイアクションも盛り込まれ“ジソブの魅力フルコース”だった同作は、同時間帯視聴率1位となる沸騰ぶり。同年の演技大賞で、ジソブが最優秀演技賞と演技大賞をW受賞するというキャリア初の栄冠を勝ち取った。
手術&法廷シーンが両方楽しめる「ドクター弁護士」
無口で硬派、ミステリアスな佇まいを強みに、作品ごとにまったく違った世界観でファンを釘付けにするジソブ。「ドクター弁護士」は、そんなジソブの真骨頂ともいえる作品だ。医師でありながら弁護士という役柄だけに、クールな俳優のカッコよさが引き立つ手術シーンと法廷シーンが両方楽しめるのも同作の魅力。
一度は引き裂かれてしまった元恋人ソギョン(イム・スヒャン)を今も大切に思う姿にも胸打たれる切ない展開が続いている。どん底から這い上がるイハンの復讐劇をジソブがその類まれな演技でどう盛り上げていくのか。今後の展開にも注目だ。