テレビ番組に精通するライターの前川ヤスタカが、地方番組に注目し、レビューしていく。今回は富山県のチューリップテレビで放送されている番組「なすなかにしのバズっちゃ!!−100万回再生への道−」(毎週火曜夜11:56-)を取り上げる。
今、漫才コンビ・なすなかにしが売れている。達者なロケ技術。いとこ同士で息のあった掛け合い。天性の良い声。出演すれば必ず結果を残してもらえる安心感も相まって、各テレビ番組に引っ張りだこである。しかし、なすなかにしは「ぽっと出」の芸人ではない。
売れそうで売れなかったなすなかにし
結成は20年以上前の2001年。デビュー時から次の松竹芸能の看板を背負うコンビとして期待されてきた。しかし、M-1グランプリは2003年から2007年まで5年連続で準決勝進出も、決勝進出は叶わず。その後も「爆笑オンエアバトル」(NHK)での活躍、深夜番組「東京都さまぁ〜ZOO」(テレビ東京)ネタコーナーでの無双状態など、その漫才の実力は広く知られながらも、なぜか売れるまでには至らなかった。
売れそうで売れないエピソードの極め付けとしては、今から6年半ほど前、2016年1月深夜に放送された「さまぁ〜ずの芸人100人が答えました!」(TBS)という特番。「もっと売れるべき隠れ実力派芸人は?」というアンケートでダントツの1位がなすなかにしであった。