「その人が好き」というその気持ちだけで生きていける
――BL作品ということで、参考にした作品や俳優を教えてください。
草川:作品はいくつか見て、BL作品の醍醐味は映像美だと感じています。細かいカットのカメラワークや色味というものをすごく大切にしているんだなと思います。
過去に「チェリまほ」に出演した際に、僕は恋愛に絡む役ではなかったですが、その世界観を間近に見ていたので、(実際に演じる際には)そこまでBLを強く意識していないかもしれません。変に意識しすぎない方がいいかなと。
現実でも、「その人が好き」というその気持ちだけで生きていけるんだろうなと思ったので、自分の中では「これはBLだ」と特別意識して演じているわけではないです。
西垣:勉強として、それこそ「チェリまほ」など、いろいろと作品を見させていただきました。湿っぽさなどの質感や作品のテイスト的にはだいぶ違いますが、「窮鼠はチーズの夢を見る」の成田凌さんの役が、大まかに見たときのキャラクターは似ているんじゃないかなと感じています。
年下で、相手にすごく執着して、重ための愛情を持って何度も何度もアタックする役なので、とても参考になりました。
――BL作品が持つ魅力や、ご自身がそのようなテーマの作品を発信する意義についてどう捉えていますか?
草川:最初にお話をいただいたときは衝撃的でしたし、監督(3話・4話担当:湯浅弘章)とは「チェリまほ」の作品を一緒に作っていた仲だったので、すごくプレッシャーも感じました。
今は“多様性”という言葉がどんどん使われるようになっていますし、こういったLGBTQに限らず、僕は“否定から入る”ことはあまりしたことがなくて、人が何かを好きになるとか、心が動く瞬間はすごく大切なことだと思うので、変に意識せず、見てくださる方に届くように、という気持ちをすごく大切にしています。
多様性をうたう世の中で、もっともっと自由に、皆さんが自分にうそをつかずに、いろいろなところでいろいろな愛が生まれる世の中になってほしいなと思います。
西垣:同性愛を描くことで、純粋さや人に気持ちを伝える大切さ、その人たちの真っすぐさというものが、これまでの恋愛物語よりも、より濃く届きやすくなる部分もあるのかなと感じています。