NBAのヤニス・アデトクンボ選手とその家族の葛藤・成功を描いた映画「ライズ~コートに輝いた希望」。ヤニス含む3兄弟がNBAトッププレイヤーという驚きの活躍の裏にあったのは、家族の結びつき。感動の物語が反響を呼んでいる。(以下、ネタバレがあります)
“怪物”と呼ばれるNBAトッププレイヤー、ヤニス・アデトクンボ
本作は、アメリカ男子プロバスケットボールリーグ・NBAで2度のMVPを獲得した現役スター選手、ヤニス・アデトクンボと、同じくNBAで活躍する兄弟たちを含む家族の実話を基にした映画。ディズニープラスのコンテンツブランド「スター」で独占配信中だ。
5人兄弟の三男であるヤニスは、二男のタナシスと共にウィスコンシン州ミルウォーキーに本拠地を置くチーム、ミルウォーキー・バックスに所属。そして、四男のコスタスはロサンゼルス・レイカーズと、NBA史上初めて、兄弟3人が同時期に人気チームでトップ選手に。さらに全員がNBAチャンピオンにもなっているという、驚異の3兄弟だ。
ちなみに、長男のフランシスは元サッカー選手、五男のアレックスはプロバスケットボール選手で、NBAの下部組織であるGリーグのラプターズ・905に所属している。
ギリシャ出身であることから、「The Greek Freak(ギリシャの怪物、超人)」という愛称で親しまれているヤニスや兄弟たちがトッププレイヤーになるまではどうだったのか。製作総指揮にヤニス本人が参加し、家族の物語を描いた。
“家族の絆”と“あきらめない気持ち”
ヤニスはギリシャ出身で、バスケットボールの国の代表にも選ばれている。しかし、両親はナイジェリアからギリシャにやってきた不法移民だった。生まれたばかりの長男フランシスを残して、よりよい生活を求めての苦渋の決断だったが、それが苦しみを生むことに。
なかなか市民権が取得できず、強制送還におびえる日々。父の仕事だけでは生活もままならず、子どもたちも街角で観光客相手に商売をしていた。
そんななか、タナシスとヤニスは地元のユースチームに参加して、たちまちバスケットボールに夢中に。恵まれた体格と努力も重ねて、眠っていた才能が目覚め、エージェントからスカウトを受けるまでになる。しかし、大きな壁が立ちはだかる。
ヤニスたちの武器は、体格や才能だけではなかった。子どもたちの夢を応援する両親の思い、家族一丸となって苦境を乗り越える強さ、あきらめない気持ち、そういった家族の絆が支えとなっていた。それが、いまの栄光につながる。