2023年放送の大河ドラマ「どうする家康」(NHK総合ほか)に出演する松本潤、大森南朋、山田裕貴、松重豊が愛知でクランクイン、合同インタビューに応じた。同作では、松本は主人公・徳川家康を、大森は“徳川家臣団”の一人・酒井忠次を、山田は本田忠勝を、松重は石川数正を演じる。4人に現場に参加した感想や実際に自身の役を演じてみて感じたこと、さらに松本には岡田准一とのエピソード、山田には地元での撮影についてなど、さまざまなことを語ってもらった他、制作統括の磯智明氏にも話を聞いた。
松重「楽しい一年が始まったなと感じています」
――実際に撮影が始まって、現場に参加した感想から聞かせてください。
松本:非常に有意義で刺激的な時間を過ごさせていただいています。大河ドラマ出演も徳川家康を演じさせていただくことも初めてで、右も左も分からないという中で不安なことも多々ありましたが、実際に皆さんと一緒にお芝居させていただくと非常に充実した時間ですし、何より毎日笑いが絶えない現場で楽しく過ごさせていただけてうれしく思っております。
大森:僕も(大河ドラマ出演は)久しぶりなので忘れていたことも多く、大河ドラマ独特の緊張感の中に飛び込んで、懐かしいような新鮮な日々を送っております。最後まで突っ走っていきます。
山田:初日が自分にとっても大事なアクションシーンでした。家臣団の方たちと一緒に並んでいるところを(撮影後に)モニターで見ると、とても自分がちっぽけな存在に見えて、戦国最強の武将でいなければならないのに大丈夫かなと思っています。家臣団の中でも一番年下の設定なので、ういういしさと成長していく姿を見せていけたらと思いますし、俳優としてかなり成長できる作品になると感じています。
松重:大河ドラマ「毛利元就」(1997年)に出演させていただいた時、僕はテレビの仕事がほとんど初めてで、右も左も分からない状況の中、先輩たちにいろいろ教わり、ドラマが作られていく過程を実地で勉強させていただきました。それから25年たって、もう還暦間近ですけども、今撮影している役は28歳です(笑)。28歳から死ぬところまで演じる可能性があり、本当に長丁場になるので緊張感を持って撮影に臨みました。現場では、みんな楽屋に戻ることなく、一カ所に集まって甘いものを食べながら和気あいあいと過ごしています。楽しい一年が始まったなと感じています。
――ご自身の役を演じる上で参考にしたことなどはありますか?
松本:僕は、NHKの番組で徳川家康のゆかりの地をたくさん回らせていただきましたし、岡崎や浜松に行った時にもゆかりの地を回らせていただきました。徳川家康を演じることが決まってから自分で調べたり、いろんな場所を訪れてみて、元々知っていた場所が、実は徳川家康に関係している場所だったと知ることがとても多くて、改めて徳川家康の大きさを実感しました。
大森:(クランクインしたばかりで)なかなか出歩く時間がないのですが、クランクインする前に、どの距離で戦が起きていたのかなどを知りたかったので、Google Earthで距離感を調べました。
松重:私は10年近く「英雄たちの選択」(毎週夜8:00-9:00、NHKBSプレミアム)という番組でナレーションを務めていまして、おそらく徳川家康が一番多く登場しているのではないかと思います。番組で解説を聞いていると現地に行ってもいないのに、全ての資料を見尽くしたかのような思いになっています(笑)。なので、必要であれば現地に赴こうかなと思います。
松本「非常に楽しく充実した時間になっています」
――松本さんは、家康のイメージと実際に演じた時の違いはありましたか?
松本:徳川家康だけでなく徳川家臣団がどういうふうに一つにまとまって、どういうチームプレーをやってきたのかということをとても面白く、魅力的に描いているなと思います。本来、「殿」と呼ばれる人は、誰も反抗できず従うような立ち位置だったのかもしれないですが、今回描かれている徳川家康はとても頼りない、どうにかしないといけないと周りに思わせるキャラクターになっています。
なので、「僕はこう思う」みたいな話を徳川家康がしても、「いや、それはないだろ」みたいな反応を家臣団の人たちがして、その反応を実際に芝居で受けると、自然と「え? 僕はこれではいけないのか」というような思いになります。それは皆さんが空気を作ってくださっている中で、僕が芝居をさせていただいているリアクションだと思っているので、そうやって一つ一つのシーンや物語を作っていることが非常に楽しく充実した時間になっています。
――歴史好きの松重さんから見て、古沢さんが描かれる徳川家康や戦国の時代はいかがですか?
松重:家臣団の一人として参加させていただきながら、私が演じる石川数正は徳川十六神将にも入っていませんし、途中で豊臣秀吉の元へ出奔したということがあり、本当に仲間外れになっているような存在です。裏切った訳でもないですし、どういう理由で豊臣秀吉の元に行ったのか、そこが今回の役を引き受けた最大の魅力です。この謎に包まれている石川数正という人物を、古沢さんは非常に面白く描いてくれるのではないかと思っています。
――山田さんは愛知県出身ですが、地元での撮影した感想は?
山田:僕の中で、名古屋から出てきて東京で頑張っていこうと思っていたので、愛知県で仕事をするのがとても不思議な感覚です。ただ地元でも行ったことのない場所がたくさんあって、岡崎城の隣にある龍城神社が本田忠勝が祭られている神社だということも初めて知りました。愛知は帰って休む場所という感覚でしたが、なかなか切り替えられず、地元でも頑張ろうと良い意味で高ぶっています。
――松重さんは、石川数正を演じてみていかがですか?
松重:まだ家康の家臣団が結成されて間もないですが、これからいろんな困難を乗り越えていき、家康を中心とした組織が江戸幕府につながっていくということを考えて、役を演じているのは非常に面白いです。石川数正も松本城という天下の名城を作ったということで、いつか私も松本城を見ながらおいしいものでも食べたいなと、撮影が終わった後の楽しみを見つけています(笑)。
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