田中「オーディションに合格してから、映画は100回以上観ました」
――初日が開きました。公演がスタートした今の思いを聞かせてください
立崇:彰孝さんと僕が出演した日、2階の客席に学生の皆さんが団体でいらしたのですが、カーテンコールの時、男の子たちが大きく手を振ってくれているのが見えたんです。年齢や性別問わず、この作品のメッセージが、お客さまの心に届いているのなら本当にうれしく思います。
田中:自分の俳優人生において、これからどんな役に向き合っていくか―。ちょうど、そんなことを考えた時、熊徹という役に出会いました。オーディションに合格してから、映画は100回以上観ました。音声だけ聞いていたこともあります。僕には熊徹へのあこがれのようなものがあり、熊徹という大きな山に頑張って登ろうと、日々、稽古を重ねてきました。いろいろな人に助けてもらいながら、自分なりの熊徹を作ってきて、そして今も作り続けている、そんな思いでいます。
――お二人は、「ノートルダムの鐘」で共演していますが、しっかり組むのは今回が初めてですよね?
田中:共演もしたけど……、一瞬だったよね(笑)。
立崇:(同じ舞台に立ったのは)1週間くらいだったと思います(笑)。稽古も別の班でした。それでも彰孝さんは、僕の名前と顔を覚えてくださっていて。それに、今回、ご一緒することになり、彰孝さん、“なおと”と下の名前で呼んでくれたんです。僕は名字が特徴的なので、名字で呼ばれることが多く、劇団の俳優で下の名前で呼んでくれたのは、彰孝さんが初めてでした。すごくうれしかったです。
田中:え、そうだったんだ!
立崇:彰孝さんが呼んでくれたのを機に、(韓)盛治さんや安東(翼)さんも、“なおと”と呼んでくれるようになったんですよ(笑)。
田中:僕も、浅利(慶太)先生に、彰孝って呼ばれた時はやっぱりうれしかったんだよね。それと、アニメーションの中で熊徹が何度も「九太」と呼ぶのがとても印象的だったんです。だから、今回、現場に入ったら、“なおと”と、名前で呼ぼうと決めていました。距離感を縮めたいなという思いもあったしね。でも最初に呼んだ時は、変な空気にならないかなと、正直、ちょっとドキドキしました(笑)。
立崇:僕も、「お、なおとって呼んでくれた!」とドキドキしました(笑)。呼び方って、どこで変えるかがポイントだったりしますよね。そういえば、今回擬闘を付けてくださった栗原(直樹)さんも、ある日を境に、彰孝さんのこと、“あっきー”って呼ぶようになりましたよね。
田中:うん、あれはうれしかったな。
立崇:僕はずっと"立崇"と呼んでもらっていたので、ちょっと羨ましかったです(笑)。
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