2022年4月より「ZIP!」(毎週月~金曜朝5:50-8:00、日本テレビ系)の水曜パーソナリティーとして出演している、ずん・飯尾和樹。彼は今最も好感度の高い「おじさん」の1人と言っても過言ではないだろう。威張らず自然体で、ユーモアにあふれつつも押しつけがましいところはなく、見る人の心を和ませる。実際「ZIP!」放送後のSNS反響を見てみると「癒される」「元気が出る」といった声が多く見られる。そんな飯尾に、“朝の顔”を数ヶ月務めてみての感想や気づきを尋ねつつ、愛されるおじさんの秘訣について掘り下げてみたところ、「新しいことは一旦全部受け入れてみる」というポリシーが飛び出した。
――このお仕事が決まったときには「何でだ!?朝だぞ!」とコメントしていましたが、実際ここ数ヶ月“朝の顔”を務めてみての感想はいかがですか?
朝でしたね…ほんとに。最初はまずスタッフさんや技術さんといった人の動きの速さに圧倒されました。あとアナウンサーの皆さんの対応力。本当は明るいニュースが続くはずだったところで、急に深刻なニュースが飛び込んでくると、パッとモードが切り替わるんです。すごいなと思って。
――飯尾さんご自身、朝の番組だから特に意識しているポイントはありますか?
「おはようございます」をどんな感じで言うかを迷ってました。まず仕事で「おはようございます」って言ったことがほぼないんですよ。朝5時50分から始まるので、全力の「おはようございまーす!!」は違うし、かといって「おはようございます…(ささやき声)」も変だし。今は目の前のカメラさんに言う感じがちょうどいいなと思って、それでやってます。放送3回目でやっと気づきました(笑)。
――コメントの内容についてはいかがですか?
普段出ているバラエティは、楽しみたい、笑いたいという方に向けて言葉を選んでいるけど、朝のニュースはいろんな方が見ているので、バランスよく…と思ってはいるんですが、答えはまだ出てないですね。水卜アナをはじめとしたアナウンサーの方々の、「楽しむときは楽しむ、伝えるときは伝える」という切り替えを本当に参考にしてます。一番年長者ですが、周りから吸収してます。
――水卜アナといえば、「水卜あさ美と一緒にあさごはん」コーナーでのミニコントも楽しく拝見しています。
記念すべき1回目の出演のときに、なんとなくアドリブで始めちゃったんですよね…最近はだんだん言うことのパターンがなくなってきました(笑)。水卜さんは以前からバラエティではよくご一緒していて、芸人さんと絡む経験も多い方なので、やりやすいです。
――スポーツニュースのコーナー「応燕!(エンジョイ)スワローズ」は、飯尾さんがヤクルトファンということでコーナー化したんですよね?
申し訳ない(笑)。僕がスワローズを応援しているからって、山本(紘之)アナのスポーツニュースでも、たくさんヤクルトに関する情報をくれて。はしゃいで傘を振ってたら、ご褒美でコーナーにしてくれたので、朝から神宮球場気分です(笑)。あとはそれを許してくれる日本テレビさんの懐の深さを感じますよね。神宮球場でジャイアンツのイベントやるようなものですよ(笑)。
――楽しそうで何よりです。「ZIP!」パーソナリティーのオファーを受けたときには、相方のやすさんと出川哲郎さんにご相談されたとのことでしたが、放送が始まってみて周りの方からの反響はいかがですか?
やすは、相方が「おはようございます」って言ってるのはいろんな意味で面白いらしいですね。あいつなりの楽しみ方があるみたいです。「一番年上に見えない」とも言われました(笑)。出川さんは「(声真似で)朝、似合ってるよ」って言ってくれました。
――関根勤さんのYouTubeチャンネルでも絶賛されていましたね。
関根さんは事務所の先輩ってこともあって「飯尾は朝も制した」なんて言ってくださって。でもその2週間後、褒めてくれた矢先に「6時25分」って言わなきゃいけないところを「6月…」って言い間違えちゃったんですけど(笑)。
――パーソナリティーのお仕事はスタジオでVTRを見る時間も長いですが、その経験がご自身のロケのお仕事に活きる部分はありますか?
系列地方局のアナウンサーの方と中継で繋ぐことがよくあるんですが、生の短い時間の中でその土地の紹介を入れつつ、自分自身がどんな人間かも少し説明するようなメリハリのある伝え方が皆さんうまくて、参考になります。年末や正月のバラエティ特番で生中継がよくあるので、それに活かせるなと。やっぱりアナウンサーの方って「伝えるプロ」として訓練されてるんだなと思いました。
――情報番組のパーソナリティーというのは新たな挑戦だったと思うのですが、他に飯尾さんがこれから新たに挑戦したいお仕事はありますか?
元々お笑いをやりたくてこの世界に入ってきたので、時代と逆行してるのかもしれないけど、やっぱり「どバラエティ」がやりたいんですよ。「有吉の壁」なんて、番組がお笑い一色で、若手があそこに出て一発でチャンスを掴めるっていう、俺たちが見てきたテレビそのものだから、ああいうことをやってみたい。今YouTubeとか他のコンテンツでやっていることって、かつてのテレビバラエティでやられてきたことも多いですから。