“Bar灯台”の料理人・フクオ役の宮藤は、初めて同作の話を聞いたときは、「うれしかったです。俳優として連続ドラマに出るのも久しぶりですし、阿部さんとも15年ぶりの共演だし。監督陣はじめスタッフも若く才能溢れる方々だし、何しろ衣装がいちいちオシャレで、着て帰りたいくらいでした」と思いを語った。
今回演じるフクオに関しては、「なんか、いい加減に生きているように見えて、自分の半径数メートルの世界を大事にしているんだろうなと。20代半ばまで深夜営業の居酒屋でバーテンのようなことをしていたので、自分でも驚くほど自然に溶け込むことが出来ました」と、自身の昔の経験が今回演じる上で役に立ったことを明かした。
久々の共演となった主演の阿部とは、「10数年前に、広島の山の中で1カ月くらい、終わらないんじゃないかという過酷な撮影を共にして以来でしたが、いい声でボソッとくだらないことを仰るところはまるで変わってなくて、懐かしかったです」と、久々の撮影に昔を思い出す場面もあり、また、「阿部さんの役はすごく情けなくて、関係性も、ちょっとだけ僕の方が優位だったのが、新鮮でした」と語った。
同作の魅力については、「現場でもらう差し込みのせりふがいちいち秀逸で、そのディティールに、監督が何を大切にされているかが滲み出ているような気がして、そういう細部にこそ、このドラマの本質があるんじゃないかなと思いました」と、脚本家でもある宮藤ならではの視点で語った。
最後には、「無理に感情を誘導せず、強引に盛り上げたり泣かせようとしたりせず、それでも、大人の子供っぽさとか、若者の達観とか、生きにくい社会とか、現代を切り取っている珍しいドラマだと思います。その中で、珍しくオシャレな服を着て、珍しく良いこと言ったり言わなかったりしている僕を見てください」とコメントしている。
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