――この作品自体、魚に限らず「何かを猛烈に好きなことはすばらしい」というメッセージが込められていると感じます。それは素敵なことである一方、そんな風にすごく好きなものを見つけられていない人もきっと多いと思っていて。そういう方々にアドバイスするとしたら?
鈴木 皆さん「好きなものを見つけなきゃいけない」とか「夢を持て」とか言いますけどね…正直、別に夢を持たなくてもいいと思ってます。生きてるだけでスゲーから。
さかなクン すギョい哲学だ。
鈴木 僕も高校卒業してから2年くらいプータローやってたんです。(夢がないことで)悩んだりするでしょうけど、それで心が病むくらいなら、あんまり「夢を持つ」とか「好きなことを見つける」というのに傾倒しなくてもいいかなって…ビートたけしさんが言ってました。
(一同笑)
鈴木 何かやってたらそれを好きになったりしますし。無理して焦ることもない。この人(さかなクン)も別に「魚を好きになろう!」って思って好きになったわけでもないですからね。
さかなクン 拓くん…すギョいねえ。
――さかなクンはいかがですか?
さかなクン 「好きなことがない」ということはないと思うんです。「この音楽を聴いてると落ち着くな、ウキウキするな」「このおまんじゅう食べてるとおいしいな、幸せだな」とか、絶対ありますよね!毎日のちょっとしたことの中の「嬉しいな」「楽しいな」というのに気づかないと「自分には何にもない」って思っちゃうかもしれないけど、気づけばさっき拓くんがお話したように「息してる、すギョいな」「脈が動いてる、すギョいな」って。幸せを感じる気持ちっていうのが大切なような気がして。
鈴木 何か食ってうまかったら「うまいな」って思うもんね。
さかなクン そこから「自分でも(料理を)作ってみよう」ってなるかも♪
鈴木 そうそう。どこかにフックがあって、そこに気づくか気づかないかだよね。
さかなクン 気づけば、すてきな“好き”につながるでギョざいます!