――第2期の収録に際して、第1期を見返すことはありましたか?
今回は見返していません。私自身の声優活動10周年の節目にキャラソンライブをした時(2020年12月 東京ガーデンシアター)、ちーちゃんのキャラソンも歌わせていただいたのですが(「Respect? < LOVE!!」)、その時に第1期を全部見直しているんです。でも当時は第2期が始まるとは思ってもいなかったんですが…。
あの時に見返しておけたのは、ちょうどよかったなと思うんです。2期のアフレコに向けて身構えて見直すのとはちょっと違うフラットな気持ちで見られたので。1期のときのお芝居を意識し過ぎてしまうと、昔の自分のモノマネになりかねない。私は自分の傾向と対策として、そういうところがあると感じているので、心の中に残っているちーちゃんのイメージに対して今の私のまま全力でぶつかっていこうという気持ちでやらせていただきました。
――東山さんのキャリアの中で、「はたらく魔王さま!」はどのような位置づけですか?
今でも代名詞として挙げていただけるような代表作ですね。第1期が始まった頃は、東山奈央のことをご存知の方も少なかったと思うんです。ちーちゃんと私を重ねて見てくださる方も多かったんですよ。
当時は新人ということでいろいろな番組に宣伝隊長のような感じで、出演させていただいたり、一人で生放送をしたり、日笠さんと一緒にラジオに出たり。“佐々木千穂役の東山奈央”として、皆さんのお目にかかる機会が多かったですね。皆さんとの出会いのきっかけになった、すごく大切な役だなと思います。
――では最後に、第2期の見どころを改めて東山さんの視点からお願いできますでしょうか?
時間的には地続きのはずなのに、キャラクターの内面の成長を感じる部分があります。真奥さんとエミリアも、「もうここまできたら2人とも仲直りすれば?」と思うこともありますが、そんな簡単な話じゃないということも第2期では結構語られています。
もちろんコミカルで楽しいギャグ作品の「はたらく魔王さま!」のイメージはありますし、それは第2期でも引き続き楽しんでいただけると思いますが、そこに奥行きが加わっているというか、人間ドラマとして、1人1人の気持ちがどんどんどんどん深掘りされていきます。そこが第1期とちょっとテイストが変わったところかなとは感じます。
いいところがどんどんプラスされていますので、本当に今まで「魔王さま」をずっと愛し続けて待っていてくださった皆さんと、一緒に第2期を楽しいお祭りにしていけたらいいなと思っています。もっとキャラクターたちのことを愛していただけるように、私たちも引き続き頑張っていきます。
◆取材・文=原田和典
※記事内、逢坂良太の「逢」の字は「二点しんにょう」が正式表記
https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/the-devil-is-a-part-timer
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