――好奇心を忘れないこともライフワークだと語っていましたね。役に向き合う際、台本に書かれていない履歴書を作り、人物を探求するという上白石さんですが、それは私生活でも同じなのでしょうか?
喫茶店などでも、近くに座った人たちが「どんな人なんだろう」と妄想することも多いです。この間、私の隣にいたカップルがけんかしているのを聞いて、二人の関係性を勝手に想像してしまいました(笑)。誰の人生にもドラマチックなことはあるだろうし、そういう人生の1コマを想像するのって面白いし、お芝居にも生かせると思うんです。
――どんなことにでもアンテナを張って、感情を震わせているのですね。上白石さんは、階堂家の兄弟や家族のしがらみ、葛藤、宿命に感情移入できる部分はありましたか?
私も姉(萌音)がいて、同じ仕事をしているというのも、言ってみれば宿命なのかなと思います。私と姉はすごく仲がいいのですが、どうしても比べられることが多く、姉に対して劣等感を強く感じていた時期もありました。それでも血のつながった姉妹であり、大事な存在であることは変わらない。そういった部分も繊細に描かれた作品だと思います。
恋愛要素がなく重厚な人間ドラマを展開する本作だが、最後に上白石は「竹内さんと横浜さんがそろうと『これだよね!』と色めき立つんです。そんな胸アツなツーショットを見てください!」と“柔らかい”見どころを語ってくれた。
◆取材・文=磯部正和
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