そんな豪華キャストのハーモニーをけん引した、主要キャスト3人。まずは主演の仲野。
本作と同クールの日本テレビ系のドラマ「初恋の悪魔」(毎週土曜夜10:00-10:54)でもW主演の一翼を担う活躍ぶりだ。撮影時期は異なっており、本作では原作者の松尾に寄せるため体重を約10kg増量したという。ただ、ストーリー冒頭に登場する松尾本人とオーバーラップするような表情を見せつつも、“松戸諭”という人物を作り上げ、人生のおかしみを伝える。
また、仲野といえば“泣きの演技”が評判だが、本作でもしかり。仕事の厳しさと失恋に直面した第2話でも泣く場面はあったが、最終回の第10話においてはまさに号泣する演技で、諭のこみ上げる思いを表現した。
伊藤は、第3話終盤からの登場に。諭のバイト先の後輩として出会い、彼氏はいたが心身ともに縛られている状態で、次第に諭に惹かれていく心の機微を表現した。その後は、諭のパートナーであり、諭を“拾った”1人の女性として寄り添っていく姿は、存在感がありつつもナチュラルで、物語を彩った。
そして草なぎは、弟の諭から苦手に思われるという役柄。3つほどしか年齢が違わない兄弟の役だが、実際の草なぎは仲野より19歳上。しかし、なんら違和感なく、どこかつかみどころのない兄・武志を演じた。第1話で諭が俳優になる宣言を家族の前でしたとき、武志は「俺もハリウッドでも行ったろうかな」とつぶやき、本当に突然にアメリカへと旅立った。
その後、とある事情で諭から絶縁宣言をされる展開になるのだが、本格的な登場は第7話から。脳卒中で倒れて半身不随になった姿で現れ、思わず息をのむほどのリアルさがある演技を披露。そこから最終話まで、仲野と演技を響かせ合った。
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