7年ぶりにテレビ番組を見るというライター・城戸さんが、TVerで見た番組を独特な視点で語る連載です。連載を通じて出会った「バナナマン日村が歩く！ウォーキングのひむ太郎」(毎週火曜夜10:30～11:00、BS朝日)を大好きになった城戸さん、今週も再度その素晴らしさを語ります。
思い出話が全部面白い…「ウォーキングのひむ太郎」下北沢回が最高
この「テレビお久しぶり」では、なるべく同じ番組を扱うのは避け、より多様な方面から…という自分なりの正義感を貫いていたのだが、今週の「ウォーキングのひむ太郎」が下北沢編だったのだ。ひむ太郎とは比較にならないだろうが、私も下北沢でそこそこの時間を過ごしてきた男である。それなりに思い入れのある街を、ひむ太郎が歩いている…！これは無視できるわけもなく、またしても「ウォーキングのひむ太郎」について書かせていただきますがご了承を。ちなみに、「ウォーキングのひむ太郎」という番組をトコトン褒めそやす過去記事はコチラにあるのでチェックしていただきたい。
さて、「ウォーキングのひむ太郎」という番組を初めて見た私が何より感動したのは、その撮影の躍動感(GoProかと思っていましたが、iPhone撮影がメインっぽい)だったわけですが、今回の下北沢編はどちらかというとひむ太郎のトークがメイン。20代の大半を過ごした思い出深い土地ということもあって、彼は何度も何度も立ち止まっては思い出話に話を咲かせるのだ。
さすがはめちゃくちゃ売れている芸人、その思い出話がどれも面白い。特に、下北のカフェでお茶をしていたら、なんだか見覚えのある人がいて、その人がサングラスをつけた瞬間に井上陽水だと分かったという話が素晴らしい。サングラスを外す瞬間ではなく、つけた瞬間に分かるという。あとは、「引っ越した家に冷蔵庫を置き、3年間一度も掃除しないで、また引っ越すときに下を見るとウンコがあった。ウンコじゃないんだけど、冷蔵庫の下にコロコロって入ったものが３年たってウンコになった」という話に爆笑した。
世田谷代田から出発したひむ太郎はついに下北沢に到着し、ここによく行って、ここにもよく行って、と立ち止まりまくる。ほとんどは飲食店なのだが、古着屋NEW YORK JOEを指さし、元々ここは銭湯だったという経緯があって、入浴場→NEW YORK JOEという名前になった、という、俺が下北に行ったら必ずする話をしていた。もしかして日村も、俺から聞いたのだろうか…。
マック、スタバ、ミスド、バーミヤン、ファーストキッチン、餃子の王将……ひむ太郎が思い出の地として語る店の大半がチェーン店なのが東京らしいと言えるだろうか。私も、下北のマックでめちゃイケの三中を見たことがある。まだ煙草が吸えたころ、下北のミスドに長居していたのも懐かしい。ミスドはコーヒーおかわり自由+喫煙可という神店だったのだ。下北に遊びに行きまくっていた2017年、ミスドで煙草が吸え、コロナもなく、消費税はまだ8%だった。なんて楽しい時代だったのだろう…。今、下北で座って煙草の吸える店といえばトロワ・シャンブルだが、その人気っぷりから満席であることも多々。複数人で行くとなかなか入れない…。他にも煙草の吸える店はいくつか知っているけども、混んじゃヤなので絶対に教えない。
そして終盤、日村の住んでいた下北のマンションが紹介され、「5階建てなんだけどエレベーターがなくて、設楽さんになんでエレベーターないとこ引っ越すのよ～って言われた」という特に何ともないエピソードが語られるのだが、それが一番印象的だった。俺も設楽に、「なんでエレベーターないとこ引っ越すのよ～」って言われたい、、、、ああ、今週も最高でしたわ、ウォーキングのひむ太郎、、、、。
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