アニメ「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIV 新章 迷宮篇」(毎週金曜日深夜1:05-1:35、TOKYO MXほか)の第7話「予知夢(カサンドラ・イリオン)」が9月2日に放送された。通称「ダンまち」で知られる本作は、大森藤ノによるライトノベルを原作とし、迷宮都市オラリオとその地下に広がるダンジョンを舞台に繰り広げられる冒険ファンタジー。オラリオにやって来た少年ベル・クラネルは、そこで女神ヘスティアと出会い、彼女のファミリアに入団する。冒険者としてダンジョンに挑む日々の中、様々な出会いを経て成長を遂げてゆく。(以下、ネタバレが含まれます)
死と絶望を暗示するカサンドラの予知夢
仲間たちの死を暗示するカサンドラの不吉な予知夢から始まった第7話。モスヒュージ強化種との戦いを終えたのも束の間、殺人の嫌疑を掛けられている“疾風”ことリュー・リオンを巡り、ベルたちは再びダンジョン下層へと向かうことになった。
カサンドラの予知夢とは17節の詩文と未来の光景が夢に現れるというもので、詩文の意味を解読することで夢に見た出来事を回避したり、その通りの未来にたどり着くこともできる。神たちにも視えない未来を予知するという非常に稀な能力であり、振り返れば今回の遠征出発のときにも、“たくさんの人を飲み込む気持ちの悪い緑の苔”の夢を見たことを理由に遠征の中止を訴える場面があった。これは後に見ればモスヒュージ強化種との遭遇を視ていたわけだが、今回は明確に死のイメージが現れているだけに、カサンドラの不安は深刻なレベルにあった。
しかし、彼女がどんなに必死に訴えても予知夢のことを信じてくれる人はいない。親友のダフネすら全く取り合ってくれないのが常のことだった。放送を観て不審に思った視聴者もいたようだが、実は原作にて、カサンドラの予知夢には本人すら知らない、誰にも信じてもらえないという呪いが掛かっていることが明かされている。第2期ではこれが原因でウォーゲームの未来を予見していたにも拘らず、当時所属していたアポロン・ファミリアの敗北を回避することができなかったのだ。
今回見た予知夢がリューの事件に絡むことは間違いなく、最悪の結果を回避するにはカサンドラが詩文の内容に対してどう行動するかが鍵になってくると言えるだろう。ちなみに、今回のエピソード冒頭ではカサンドラの寝起き姿が描かれ、Twitterでは「カサンドラは着やせするタイプだったか!」「カサンドラさんの寝起きが強烈過ぎて夢の内容吹き飛んだ」など、地味キャラだった彼女に一気に注目が集まる事態となっていた。
なお、カサンドラの予知夢と呪いについては、ギリシア神話に登場するトロイの王女について調べてみると、本作の世界感とリンクするあるエピソードにたどり着くことを付け加えておきたい。
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