飯沼は「スポンジみたい」表情にも変化が
――主演の飯沼さんはこの夏で芸歴2年目に突入するというフレッシュな女優ですが、印象はいかがでしょうか?
大河原P:本当にスポンジみたいです。クランクインした日とクランクアップした日では小梅がまるで別人のようで。飯沼さんは女優として成長したと眞島さんも羽田(美智子)さんも口をそろえておっしゃっていました。
――飯沼さんといえばドラマ2作目とは思えないバリエーション豊かな表情が印象的です。
中西氏:「この初恋はフィクションです」(2021年、TBS系)では優等生キャラを演じていましたが、今回は明るく弾けるようなキャラクターをお願いしてみました。現場で試行錯誤しながらやっていくうちに、だんだんと面白い変顔をできるようになっていって(笑)。
大河原P:最初の数日間は手探りな部分がありました。“小梅”というキャラクターは以前別の方が演じているので、令和版としてどういう人物を作っていくのかご本人も悩んでいたかもしれません。
でも、(キャラクターを)つかんでからはすごくて。「こういう顔をしたら小梅はかわいいと思う」とか「でも中身はパパだからこういう顔をするような気がする」とよくおっしゃっていました。
中西氏:今作はモノローグが多いドラマなので、先に声撮りをさせてもらってからクランクインしたんです。その時から個人的に“声が良いな”と思っていて。きっと彼女の持ち味だと思うのですが、パパムスを経て豊かな表情も加わったんじゃないかなと思います。
大河原P:最初の頃は、現場で監督の「もう1回!もう1回!」という声が何度も聞こえていました。でも、演じていくうちに、中身がパパになった小梅の動きをつかんでいって。そこからは、「また変顔しちゃった!」と言うようにまで変化していきました。
中西氏:そして気が付いたらしゃくれているっていう(笑)。
大河原P:そうなんです、気づくとついついやり過ぎちゃう時があって「変顔やり過ぎ注意!」と言いにいっていました(笑)。
細かな所作を盗むべく“リアルJK”を観察
――現役女子高生にしか見えない眞島さんのキュートな演技も話題です。
中西氏:最初の段階から“眞島さんは女の子の演技も上手だな”と思っていました。こちら側からするとほぼ申し分なしのお芝居だったのですが、ご自身の中では悩む部分も多かったようです。
例えば、内股にすれば女の子になるというのは決めつけっぽいじゃないですか。なので、やり過ぎないことを意識しているとおっしゃっていました。
大河原P:はじめは小梅もパパもそれぞれ(キャラクターを)つかまなきゃいけないので、お互いのくせについてよく現場で話していました。眞島さんは飯沼さんの動きを観察するだけでなく、レギュラー出演している生徒たちの動きを研究して盗んでいました。
飯沼さんにも「おじさんはこういう時に間を置くんだよ」とか「座るときにいちいち声が出るんだよ」など、かなり具体的にアドバイスをしていたようです。