
9月4日、日曜劇場「オールドルーキー」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系)が最終回を迎えた。主人公・新町亮太郎(綾野剛)の奮闘と成長、彼に影響を受けて変わっていった同僚たち、苦しい時期もいつも笑顔で支えた亮太郎の妻・果奈子(榮倉奈々)…丁寧に描かれた人間ドラマは、フィクションを超えた熱い感動を呼び、心地良い余韻をもたらした。
塔子、城、伊垣も「ビクトリー」を離れ亮太郎の元へ…
本作は、ある日突然、選手引退を余儀なくされた37歳の元Jリーガーが、サッカー以外の知識も経験も無いどん底から“スポーツマネージメント”という新たな世界で成長していくヒューマンストーリー。各エピソードには実際のトップアスリートたちに取材した内容が反映され、選手たちが実名でカメオ出演することも多く、毎回リアリティ溢れた内容となっていた。(以下、ネタバレ含みます)
最終話は、ドーピング疑惑で「ビクトリー」を契約解除されたスイマー・麻生健次郎(渡辺翔太)側につき、彼の再起に手を貸した亮太郎が、「勝手なことをした」と社長・高柳(反町隆史)の逆鱗に触れ、「ビクトリー」を解雇されたところからスタート。
あくまでも“アスリートファースト”を貫く亮太郎とビジネス優先の高柳は対立し、亮太郎はスポーツマネージメントの世界から身を引くこととなった。そして、彼を頼って「ビクトリー」と契約したJリーガー・伊垣尚人(神尾楓珠)の海外チームへの移籍交渉は、スゴ腕の代理人・光岡(勝村政信)が引き継ぐことになった。
順調そうに見えた移籍交渉だったが、交渉は失敗。以前、代理人に騙されたトラウマのある伊垣は光岡を信用できず、「ビクトリー」との契約解除を申し出て、亮太郎の元に行こうとする。そんな伊垣に対し、高柳は「力量も経験も無い亮太郎には代理人は無理だ」と言い放つ。その言葉に、塔子(芳根京子)は亮太郎のこれまでの功績を挙げ、彼はアスリートに信頼され、ちゃんとスポーツマネージメントの仕事ができていた、と反論。そして城(中川大志)も、亮太郎を潰すことはしないでほしい、そんな社長は見たくない、と訴える。
「社長のために働いてるんじゃない、アスリートのために働いている」と、啖呵をきった塔子と城は、売り言葉に買い言葉で「ビクトリー」を去ることを決め、彼らは伊垣と共に、デリバリーの仕事で生活を繋いでいた亮太郎の元へ。熱い思いを訴え、自分たちで伊垣の海外移籍を実現させよう、と説得。心を動かされた亮太郎は「この交渉だけはやらせてほしい」と高柳に頭を下げに行き、高柳は渋々ながらも了解した。
亮太郎のマネージメント第1号・矢崎が恩返し

3人は世界中のあらゆるチームに交渉を持ちかけるが、実績の無い代理人はほとんど相手にされず、前途多難…。そんな彼らの現状を聞いた高柳は「うまくいくわけがない。伊垣もすぐに新町を見限るはず」と、冷たい態度を崩さなかった。が、葛飾(高橋克実)に「社長は新町くんを甘く見てます」と諭される。亮太郎には“夢の力”がある、と。葛飾はかねてから、亮太郎と「ビクトリー」設立当時の高柳が似ている、と言っていた。葛飾は、高柳に当時の気持ちを思い出してほしい、亮太郎たちを許してやってほしい、と訴え、高柳は心が揺れる。
一方、どこからも無しのつぶてで八方塞がりだった亮太郎に、ドイツリーグで活躍する矢崎(横浜流星)から連絡が。亮太郎は伊垣の資料を矢崎の所属するチームにも送っていて、それを知った矢崎が伊垣を推薦し、伊垣が出場する日本代表戦をチームのGMが観に来ることになった、と告げる。
「オレにできるのは、このぐらいですよ」と矢崎は言った。この言葉から、彼がどれだけ亮太郎に感謝しているかが伝わってくる。「ビクトリー」社員として再会した当初は、高飛車で無理難題ばかり押しつけた矢崎。しかし、亮太郎が彼の抱える不安に気づき、同じアスリートとして寄り添ったからこそ得た信頼。亮太郎のスポーツマネージメントの第1歩が始まったきっかけを作った矢崎が、最後に恩返しのかたちで登場したことは感慨深い。
![オールドルーキー Blu-ray BOX [Blu-ray]](/assets/v3/img/lazyimg.gif)
TCエンタテインメント
発売日: 2023/02/03