公開11日間で興行収入10億円を突破する大ヒットを記録した映画「ソー:ラブ&サンダー」が、9月8日よりディズニープラスで配信スタートした。初めて見る方はもちろん、劇場で一度見てぜひもう一度見たいなと思いつつチャンスを逃したままだった方も(一度ですべて把握しきれないであろうほどの内容の濃さはマーベルシリーズ共通!)これで安心。国籍を超えて通じるであろうコミカルな場面も多分に含まれているので、おうちで大口を開けて大声を上げて笑うのも健康上には良いだろう。
“愛”がテーマの本作の舞台は「アベンジャーズ/エンドゲーム」後の世界。激闘の末に多くの仲間を失い、「もう闘いはこりごりだ。ヒーローも卒業だ」という心境に達した“アベンジャーズBIG3”最後の一人、雷神・ソーが新たなアイデンティティを求める物語だ。(以下、ネタバレを含みます)
雷神のスーパーヒーロー“ソー”に扮(ふん)するのは、もちろんクリス・ヘムズワース。「アベンジャーズ/エンドゲーム」で繰り広げた命懸けの闘いを終えた後、ソーは地球を離れて一呼吸おいていたが、そこに宇宙各地の神が殺されているという情報が入り、またしても闘いモードになっていく。できればもう平和で穏やかに生きたいのだが、困っている人がいれば助けるし、やるときはしっかりやらなければ、宇宙の平和のために。そう考える男らしさの持ち主がソーである。いきなり「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のメンバーと一緒に激しいバトルを繰り広げるシーンを盛り込んでくれたのも、実に入り込みやすく、ありがたい。
常にモテているといっても過言ではないソーだが、中でも忘れられない“元カノ”こそ、ナタリー・ポートマン扮するジェーン・フォスター。約8年半ぶりに会った彼女は“ムジョルニア”を巧みに使いこなす、新たなマイティ・ソーに姿を変えていた。別れたのはそれ相応の理由があるからで、そのときの選択肢には“再会”など1ミリもなかっただろう。だが2人は再会することになり、かつての相性の良さを再認識していく。なんだかんだいっても、お互いをリスペクトする気持ちに変わりはなかったのだ。
リスペクトのある人間関係は、外見や財産頼りのそれよりもよほど強く、手堅い。後半に登場する「いじめられている子がいたら、助ける」というフレーズがまた、染みる。ヒーローは決して、見て見ぬふりをしない。堂々と行く。またラストで「ラブ&サンダー」(愛と雷)の由来が明かされるところには、なんというのだろう、奥歯にはさまったニラの繊維がサクッと取れていくような気持ち良さを感じた。
さらなるシリーズの広がりも感じずにはいられない。
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