舞台の時から、映画っぽい作品だなぁと思っていたので、今回の映画化はすごく腑に落ちました。三浦監督も、舞台と映画の瀬戸際みたいなことをやってみたいんだと、舞台の時からおっしゃっていたし、里美は自分でもとても思い入れの強い役でしたので、裕一と伸二と一緒に3人変わらず、自分も映画に呼んでもらえて、うれしかったです。三浦組には、三浦組でしか経験できないことがあるのですが、舞台の時とは全然違っていて…。私はそんなに長い期間の撮影ではなかったので、その範囲であれば今回は楽しめた様な気がします(笑)。
舞台で今井を演じた時から映像でも演じてみたいと思っていたので、それが叶いとても光栄です。映像での三浦作品にはオムニバスドラマに続き、2作品目でしたが、いやぁもうね…「OK!!!」が出た時にこんなに安心する組ないです…本当に…撮影というよりほぼ稽古でした。何とかしてOKと三浦さんに言っていただきたい一心で食らいついていたので、正直撮影のことは覚えていません(笑)。でも今井をとても魅力的に作り上げてくださいましたし、何よりやっぱりダメ人間を客観的に見るって笑いが止まらなかったです。それくらい藤ヶ谷くんをはじめ、皆さま素敵な方ばかりで、この作品に参加させていただき感謝しています。是非、たくさんの方に見ていただきたいです!
2018年の舞台版をみていなかったので、脚本を読んだ時は一体どんな作品になるのだろう?と、全く完成図がわからないまま作品に入っていきました。僕は主人公が働くアルバイト先の先輩の役で、自分が居酒屋でアルバイトしていた時にいた先輩を少しイメージしています。部屋のシーンの撮影は朝から晩まで延々と行われ、終わった頃には疲弊しきっていました。こりゃ大変だな…と。役として追い詰められている藤ヶ谷さんの目が印象的で、一緒に途方に暮れました。完成図はわからないままで良かったんだと思います。お楽しみに!
舞台「禁断の裸体」でお世話になった三浦大輔監督が自分の事を覚えて下さっていて、お声かけを頂けたのがとにかく嬉しかったです。自分の役柄は映画の助監督だったのですが、普段接する機会が多い職業だったので、その人たちの事を思い出しながら役作りをしました。舞台の時さながらの演技の千本ノックがなかなかハードでしたが、その分いいものになっているんじゃないかなと思います。
今回、本当にどうしようもない弟の姉役を演じさせていただきました。登場人物全員、完璧ではなくどこか欠けていて、香も一見しっかり者に見えてそうではなかったりと、人間らしさをたくさん感じられる作品だと思いました。私は末っ子なので姉の気持ちはわかりませんが、いくらダメダメな弟、父親だとしても、家族として見捨てられない気持ちもあったり、でも強くあたってしまうこともある。家族との会話や空気感等、きっとこんな感じなんだろうなと想像しながら演じさせていただきました。初めて台本を読んだ時は、何事からも逃げる弟が繰り広げていくストーリーに何か暗い印象を持ったのですが、完成した作品を観たときに人間味のあるキャラクター達に思わず笑ってしまったり、裕一のダメさが突き抜けていて、少し愛おしくも感じたりしました。最後には、観た方がなんとなく頑張れるかもと思わせてくれるような映画になっていると思います。
この作品は、微妙なニュアンスが魅力の作品だと思うのですが、普通よりちょっとずれている感じがあちらこちらにあって、その感じをつかむのが凄く大変で難しかったです。藤ヶ谷さんとは初共演でしたが、すごく素直な方で、本当の息子のようでした。三浦監督がお持ちの「ちょっとねじれている感じ」がうまく出ていたら面白い作品になっていると思います。豊川さんが演じられた父親のキャラクターがすごくよくて、この物語が救われているような気がしました。
負け戦のボクサーの気分で現場に入った。
案の定OKは出ない。
ジャブ、ストレート、アッパー、フック、あらゆるパンチを放ったが勝てる気がしない。
ちょっともう一回やってみましょうか。
三浦が軽く言う。
その瞳の奥に、丸裸にされそうな俺が映る。
迷いを振り切る俺の気分が映画に焼き付けられていく。
三浦よ、何を視ていたんだ、何を感じていたんだ。
せめて映画の中には三浦の正解があることを信じて、俺はリングに立ち続けていた。
三浦が作った映画を、早く観たい。
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