「不夜城はなぜ回る」を見ていると、すっかりプジョルジョDのファンになってしまう。本人が編集したVTRだとはいえ、もうなんというか、「いい人」なのが伝わってくるのだ。
熊本県南関町の「不夜城」を訪ねたときもそう。そこは街の特産品である「南関そうめん」の製麺所で、ひとりの職人がほぼ不眠不休でそうめんを作り続けていた。予約が殺到する夏場は製麺所に泊まり込み、布団で寝ることすらできない状況。家族と過ごすこともままならない。
その様子を密着していたプジョルジョDは、突然「流しそうめんしたいな」と思いつく。竹を分けてもらおうと、竹林を持つ家を(昼間に)訪ね、ご厚意に甘えて竹を切ってもらい、製麺所の庭に流しそうめんをセッティング。職人になんとか時間を作ってもらい、妻と息子たち(4歳と1歳)を呼び、家族初の流しそうめんが実現するのだ。笑顔でそうめんをほおばる息子たちに胸がいっぱいになる。
これが10月からレギュラーになる……となると気になるのは、プジョルジョDの稼働だろう。たったひとりで全部やっていることもあり、第3弾の収録時には「ストックが1本できた」という状況だという。大丈夫なの!?と心配になるけど、本人は「ホント楽しいです」と笑顔なので、なんだかこちらも笑顔になってしまう。
ひとりの若いディレクターの趣味に、いろんな大人が可能性を感じて走り出した「不夜城はなぜ回る」。東野幸治も「この番組の主役はプジョルジョ」と言い切る。彼がこれからどんな「不夜城」を見せてくれるのか、今から楽しみだ。
文=井上マサキ