義時は継母・りくの言いなりになっている父を許すことができなくなり、畠山重忠(中川大志)と理不尽な形で一騎打ちせざるを得なくなった経緯にも憤りを感じていた。今となっては最後の北条家団らんとなった“オンベレブンビンバの会”に、りくの姿がなかったのも、彼女が北条家の面々から浮いていたということが分かる。“オンベレブンビンバの会”というのは第37回放送で、時政が酒と肴を持って義時や政子ら家族の前に現れ、昔話をしながら笑顔で酒盛りをしたときの話。時政は、一瞬だけでも伊豆の時代の北条家に戻ったような、かけがえのない時間を作りたかったのではないだろうか。
父・時政と義時が今生の別れ
しかし、時はもう戻らない。義時は初代執権・時政をりくと共に伊豆へ流罪にすると決め、父とは今生の別れを告げた。涙を落としながら「父が世を去るとき、私はそばにいられません。父の手を握ってやることができません。あなたがその機会を奪った」と言う義時の顔は、父の前で感情を露わにする息子の表情になっていた。
一方、りくは「私は北条に嫁いだことを誇りに思っています」、「私を殺そうとしたでしょう」「あぁ悔しい! もう少しでてっぺんに立てたのに」等、最後までへらず口が止まらない。
最後は義時に「意気地がないのね、この親子は。手の届くところに大きな力があるなら奪い取りなさい」と“はなむけの言葉”を残したりく。義時は黒い着物に袖を通して、ついに執権の座に就いた。りくは本当に、心優しく煮え切らないところがある北条の男たちを動かす凄腕の女性だった。
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