「2人芝居って間とかがズレたり、すごい集中力のいる芝居だと思う」
そんなハッピーな夏を終えて、10月の舞台「burst!~危険なふたり~」が稽古に突入します(取材時/現在公演中)。三谷幸喜さん作・演出、共演は香取慎吾。7年ぶりの再演です。
先日、三谷さんに久しぶりにお会いしました。「変わらないですね」なんてお互い言いながら「慶喜良かったよ」って言われました。そのときの打ち合わせでは大きく変わるところはないような感じだったけど、どうなるのかな。再演とはいえ7年前だしね。2人芝居だから、セリフ量も結構ある。
物語は、1と2の男がいて、僕が最初は刑事で、慎吾がどこか田舎の方に住む青年。爆弾騒ぎに巻き込まれるんだけど、最後が謎の終わり方をするミステリーのような不思議なテイストの作品。1幕と2幕で役が入れ替わるのも斬新だし、2人とも舞台上にいるのに、その空間では2人に向き合って芝居をさせない構図が面白いなと思って。セットも会議室とか部屋くらいで実にシンプル。前回やられたピアノの荻野清子さんがスケジュールの都合が合わなくて、今回は生音でなかったりするみたいなので、本当に2人だけなんだよ。劇場も大きくなるので、芝居もきっと変わってくると思う。むしろ前回から7年たってるから、ちょっとキツいかもしれない。まあ「アルトゥロ・ウイの興隆」とかに比べたら踊ったりしないぶんいいと思われそうだけど、決してやわな芝居ではないと思う。2人芝居って間とかがズレたり、ちょっとしたことで変わってくるから、すごい集中力のいる芝居だと思う。
慎吾とは演技論とかはしてないです。前回の音源があって、それを2人で聴き返したんだけど、すごいヘタクソだったのね。慎吾も同じことを思ったみたい。だけど若いから、粗削りだけど勢いがあっていいんですよ。テンションとか声の張り方とか。それが初演の良さで。だけど、今はあのときと同じ感じにはできないなと思ってるところもすごいある。
映画「サバカン SABAKAN」じゃないけど、もう一度子供に帰った気持ちで慎吾と舞台に挑みます。彼とだったら面白い作品が作れると思って、今からワクワクしています。